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古典をどう活学するか 池田 一義(埼玉りそな銀行社長) 安岡 定子(こども論語塾講師) 埼玉りそな銀行社長の池田一義さんは、経営危機に陥ったりそなグループの、 改革の一端を担ってこられました。 その時、池田さんが心の支えにされたのが安岡正篤先生の本や中国の古典でした。 【池田】 安岡正篤先生のことを知ったのは、 城山三郎さんの『男の生き方四〇選』 という本でした。 そこに書かれてあった先生の 「思考の三原則」が 30代の私の心にヒットしたんです。 第一は、目先に捉われないで、 出来るだけ長い目で見ること。 第二は物事の一面に捉われないで、 出来るだけ多面的に、 出来れば全面的に見ること。 第三は何事によらず 枝葉末節に捉われず、 根本的に考えること。 それ以降、安岡先生の本を 好んで読むようになり、 『論語』『中庸』をはじめとする 「四書五経」を 少し囓るようにもなりました。 もっとも、難しくて 私にはよく分かりませんでしたが(笑)。 それから、曾国藩(そうこくはん)の 「四耐四不(したいしふ)」の教え。 冷(れい)に耐え 苦(く)に耐え 煩(はん)に耐え 閑(かん)に耐え 激(げき)せず 躁(さわ)がず 競(きそ)わず 随(したが)わず 以て大事を成すべし この「四耐四不」も 安岡先生の門弟だった 故・平岩外四さん(東京電力元会長) の記事で教わったのですが、 平岩さんが毎日この言葉を 鏡の前で唱えられていたと知って、 一サラリーマンの立場で 経営者の大変さを思ったりもしました。 後に私自身も金融危機やりそな改革で いくつもの困難な問題に 取り組むことになるわけですが、 壁にぶつかって悩む度に、 先人の言葉に救われ、 勇気をいただくことも 増えてきたんです。 【安岡】 りそな改革とは、 どのようなものだったのですか。 【池田】 りそなショック時の公的資金注入以降、 会社形態を委員会設置会社に移行しました。 社外取締役中心のガバナンスに変え、 オープンな議論を踏まえて 再生の道筋を描いていきました。 改革の中身はとても 厳しいもので、それまでの常識を 覆すことも多くありました。 |
2016.06.20 |
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