過去の一語履歴を見ることが出来ます。
父からの手紙 保 巖(国際少林寺流空手道連盟会長) フィリピンに渡った時ですね。 当時私は大阪の大学に 通っていたのですが、父から 「フィリピンのバギオ大学から 空手の指導の要請が来ているけど、 おまえ行かないか」 と話をいただき、 私は喜び勇んで渡航しました。 ところが、英語の勉強もせずに 行ったものですから、 言葉が全く通じない。 その上、所持金を全部 盗まれてしまったのです。 もうここではやっていけない、 どうやって生きていけばいいんだと 完全に意気消沈していた時に、 父からの手紙が届きました。 「君を空港まで見送りに行かなかったが、 飛び立つ飛行機に向かって、 道場の屋上から日の丸の旗を 振ったのが君に見えただろうか? 古今東西、人種職業の別なく、 人は等しく愛別離苦の悲しみを 味わって強くなり、 成長していくものだ。 異郷の地で一人辛いだろうが、 頑張りたまえ!」 慈愛に溢れる手紙は便箋5枚に及び、 ロマン・ロランの 「勇躍せよ、突破せよ、 汝男なればなり!」 の力強い言葉で結んでありました。 読みながらもう涙が溢れ出てきました。 実は出発前、地元の新聞社から インタビューを受けたり、 たくさんの人に見送られて、 ついいい気になっていました。 何もできないくせに。 飛行機の窓から我が家を見て 「親父、行ってきます」と心の中で 思う気持ちさえなかったのです。 何という親不孝者だと、 その手紙を読んで 初めて気づかされました。 その時に、父の思いを継いで、 空手を一生やっていくと決心したのです。 |
2016.07.16 |
〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日