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外堀を埋める 子どもたちが目を輝かせて聞く偉人の話 平 光雄・著 巷(ちまた)に溢れる偉人伝も、伝説の小学校教師にかかれば こんなにも面白い──。 『子どもたちが目を輝かせて聞く偉人の話』 「大切なのは、偉人の『才能』と 『心構え』をごちゃ混ぜにせず、 模倣できる心構えの部分に焦点化すること」 など、人間教育として役立てていく ための深い知恵に溢れています。 オリンピック選手が金メダルを獲るためには、 生活リズムを整え、正しく栄養を採り、 トレーニングと休養のバランスを整え、 ユニフォームや靴や器具を最適化し、 心を鍛え……と、自分にやれることの 「すべて」をやります。 まさか、優れた運動神経と その種目のための練習だけでいいと 思う人はいないでしょう。 どんな目標でも、達成するためにはまず やっておかねばならないことがあるのです。 「本丸」を落とすには 「外堀」から攻略しなければいけないのは、 誰もが知る兵法の常識です。 本気で目標を達成したければ、 「外堀」=「その前にやらねばならないこと」を すべて「埋める」=やり尽くす覚悟と 努力が必要だということです。 シュリーマンは、 「トロイの遺跡を発見し発掘する」という 「本丸」=「子ども時代から持ち続けた大目標」 を達成するため、情熱的に、かつ周到に その「外堀」を埋めていきました。 そうしてこそ、そこまでしてこそ、 達成できた偉業だったのです。 ともすれば、子供たちは、自分の目標、 たとえば「サッカーの名選手」や 「楽器のプロ」になるには、他のことを放擲して、 他のことは捨てるか、いい加減にして、 サッカーや楽器の練習にのみ 明け暮れればいいと思いがちです。 それでは、「目標」を達成できないのだ ということを教える必要があります。 そこで、子ども時代からの目標を 長期にわたって持ち続け、 その達成に向けてやれることをやり続け、 ついには目標を達成したシュリーマンの生涯は、 とても参考になるものです。 また、日本人としては、徒歩で測量を続け、 正確な日本地図を創り上げた 伊能忠敬を取り上げます。 並大抵のことでこの大事業が 完遂できたはずがありません。 ほとんど不可能と思えるようなこの事業を、 周到な計画と工夫と努力によって 成し遂げたのです。 この江戸時代の日本の偉人からも、 目標達成のために「やれることは全部やる」 ということの大切さを学ばせたいと思い、 この二人の話をしてきました。 |
2016.01.04 |
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