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| 公文教育の原点はここにある 池上秀徳(公文教育研究会社長) 子供から大人まで幅広い層から支持を集める「公文式」。 さらに国内だけではなく、世界４９の国と地域にも 普及しているというから驚きです。 1986年からの10年間は、 国語の教材制作の経験を買われ、 外国人向けの日本語教材の 制作・普及という新規事業に配属されて、 やがてチームリーダーを任されることになりました。 既存の事業と違って、 自分たちで一から教材を作らねばならず、 生徒の募集も困難を極めました。 しかし、手探りながらも、 一所懸命にやれば必ず道は開けると信じ、 私はリーダーとして率先垂範、 各国の大使館に飛び込み営業をしたり、 街頭でビラ配りをしたりと、 力の限りを尽くしました。 その甲斐あって、事業化のための 基礎を築くことができました。 その時期に最も印象深いエピソードとして、 自信をもって制作した日本語教材を、 公文式の創始者である、故・公文公会長に 初めて目を通してもらった際のことは いまでも忘れることができません。 私は与えられた時間の中で、 新教材に込めた思いを滔々と力説したのですが、 黙って聞いていた会長から返ってきたのは、 「池上君、教材は君が作るんじゃない。 子どもや現場の先生が作るんだ！」 という厳しい言葉だったのです。 改めて私は、自分の頭の中で 「よい教材」を考えているばかりで、 子どもたちや現場から学ぶ姿勢が 欠けていたことに気づかされるとともに、 厳しくも優しく、独創的な発想で 私たち社員にアドバイスしてくださる公文会長の 人間的魅力にとても感銘を受けたのでした。 そして、その教えを求めて多くの社員や 公文の先生が集う公文会長の姿と、 弟子たちに囲まれ学びを深めていった 中国の思想家・孔子の生涯が不思議と重なったのです。 そこで私は、公文会長の教えを より深く知るためにも『論語』を 真剣に勉強するようになったのでした。 |
2015.11.25 |
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