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日本を創ったリーダーに学ぶ 堺屋太一(作家、経済評論家) 渡部昇一(上智大学名誉教授) 【渡部】 日本にとりわけ大きな 足跡を残したリーダーを古代から 順番に見ていきたいと思いますが、 堺屋さんはまず誰を思い浮かべますか。 【堺屋】 私は、聖徳太子を挙げたいと思います。 聖徳太子という人は、 皇室の出身でありながら仏教を布教して、 自らも大学者となり、八宗兼学(はっしゅうけんがく) (物事に広く通じていること)とまでいわれた 大変な人ですが、その聖徳太子の業績の中で 私が最も重要だと思うのは、 「一人の人間が同時に複数の宗教を信じてもいい」 という日本独特の宗教観を、 世界で初めて生み出したことです。 これはすごいことでしてね。 この聖徳太子の哲学が 日本人の宗教観を決定的にして、 日本では現在に至るまで宗教戦争とか 宗教対立というものが一切起きていないんですね。 後に織田信長が比叡山を焼き討ちしたのは、 宗教が世俗に介入したからで、 宗教弾圧ではありません。 信長の家来には天台宗もいれば浄土真宗もいたが、 信長がそれをやめろと言ったことは全然ないんです。 宗教対立の歴史が日本から消える きっかけをつくったのはまさに聖徳太子で、 日本を平和にし、発展させた意味で、 これほど重要な人はいないと思いますね。 【渡部】 まさにおっしゃるとおりで、 聖徳太子という方は本当に日本を日本らしくした、 日本の歴史においては本当に超重要な存在といえます。 |
2015.12.08 |
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