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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.144

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一語履歴 vol.150
師弟関係 150a話を聞いて~犠牲なき 150b感謝こそ 150cすべての逆境
一語履歴 vol.149
この苦しみ... 149a教えて... 149b困難を 149c運がいい...
一語履歴 vol.148
感動する心 148a人生二度 148b一流シェフ 148c日本人と 148d心に
一語履歴 vol.147
危険に 147a苦しみの先 147b仏像を 147c辛い時こそ
一語履歴 vol.146
子供の能力をフルに開花させる 146aママが死にたいなら
一語履歴 vol.145
途中で 145aV字回復 145b呼び寄せる 145c見てくれている人
一語履歴 vol.144
自己を習う 144a円満に 144b全力投球 144c苦難を受け入れた時
一語履歴 vol.143
誠は 143a重光葵 143bお天道様に 143c歯と目と声
一語履歴 vol.142
人生逃げ場なし 142aピンチを 142b苦労を苦労と 142c無限の可能性
一語履歴 vol.141
100-1=0 141a締め切りがある 141b芸を磨き 141c先生
自己を習うというは自己を忘るるなり    
                  境野勝悟(東洋思想家)

東洋思想家として知られ、日本の伝統文化にも造詣の深い境野勝悟さん。
長きにわたって人間教育の一道に生き、
これまで全く分からなかったけれども、
八十路を越えて初めて見えてくる世界があるといいます。
   
境野 まぁ僕は特別、目標を掲げて生きてきたわけではありませんが、
   80歳になってよかったなと思うのは、
   いままで分からなかったことが分かってきたんですよ。

堀 ほう。

境野 例えば、道元なんていう人の本が
   僕には全然分からなかった。

大学院まで行って、坐禅の修行にも打ち込んだのに
70代まではいくらやっても分からない。
それが80になると分かってきた。

『源氏物語』もそうですね。
原文で読んで解釈はできても、泣くことはなかったのが、
80を過ぎて泣けるようになった。

だから、僕のお弟子さんたちには
「これから俺を捨てるなよ。捨てると損だぞ」
と言っているんですけどね(笑)。

堀 僕は仏教にはそれほど詳しくないんだけど、
  道元のどういうところが分かってきましたか。

境野 道元の有名な言葉に、

「仏道を習うというは自己を習うなり。
 自己を習うというは自己を忘るるなり」

とあるんです。

この「自己を習うというは自己を忘るるなり」が
どうしても分からなかった。

だって忘れたら何も習えないわけでしょう。
その答えが道元の書物のどこにも書いてない。

だけど80歳になって
「ああ、そうか」と思うようになったんですよ。

つまり、これは頭で覚えている世間の規範だとか、
善し悪しといったものを忘れろという意味なんだと。

80歳までの僕は、人にけなされないように生きようとか、
人に笑われないようにしようとか、
そういうことを考えながら自分を鍛えてきた。

それは悪いことではないと思うんだけど、
長いことやっていると、自分の心が自由にならないんですね。

堀 なるほど。

境野 つまり生きていてよかった、という本心からの喜びではなく、
   周囲から見られるための自分がいつの間にか形づくられていて、
   本当の自分は眠ったままになっている。

そのことに気づいたんです。
すると、不思議なことに自分はどう思われてもいいじゃないか、
どうせ学校では大して勉強したわけではないし、
という思いが湧くようになりました。

だから、本当に自分らしく生きられるように
なったのは80を過ぎてからですよ。

もし僕が中高大学とエリートで、
ものすごく勉強していたら80になっても
自分を捨てられなかったと思う。

自分を捨てられないと、体力もなくなり
能力も鈍った後に絶望的な老いになるんです。
 
2015.06.10

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