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歯と目と声 堀威夫(ホリプロ創業者) 日本の大手芸能事務所ホリプロ。 創業者の堀威夫さんは これまで数々のスターを輩出し、 同社を今日へと発展させてきました。 堀 よくプロフェッショナルというけれども、 あれは第三者が評価するもので、 自分で自分をプロと言う人はいない。 その意味でプロとは何かとなると永遠のテーマでもあるんですが、 ただ一つ言えるのは教える意思のない人から学ぶのがプロだとは思っている。 境野 そうなんですよ。それでこそ本当の学び。 堀 そのためにも好奇心、幼児性というものをしっかり持っていないと、 大切なものを見落としてしまうんだ。 3歳の子供からだって学ぶことはたくさんあるんだから。 境野 あなたはこれまで実に数多くのスターを育ててきたわけだけど、 「この子は伸びるな」と思う人はどういうタイプですか。 堀 いまはやっていないけど、 昔自分でスカウトしていた時は基準がありました。 それが歯と目と声。 境野 ほう、歯、目、声。 堀 歯はビジュアルの面での美しさもそうだけど、 もう一つ重要なのは咀嚼力です。 健康じゃないととてもこの仕事は務まらない。 二番目は目。何か事を成すっていう人の目はキラキラしていますよ。 イワシの腐ったような目はしていない。 そして最後は声です。 声っていうのは、大きければいいんです。 スピーカーでも出力が大きいスピーカーで 小さい音を出すと、聞こえがいい。 小さいスピーカーで大きな音を出そうとすると 耳障りなわけですね。 それに、でかい声を出す人はネアカな人が多いし、 根暗の人の声は小さい。 境野 しかし、面白い視点だね。 そんなことを言ったのは、おそらくあなたが初めてでしょうね。 堀 僕も最初は他所の力を借りてスカウトをしていたんですが、 そのうちにホリプロスカウトキャラバンといって自前でやるようになった。 何千人という候補の中から新人を選ぶわけです。 50人くらいを一つの部屋に入れて、 一人ひとりマイクの前に立たせるんだけど、 「マイクの前に立った時の顔なんか見ても意味がないぞ。 待っている時の目を見るんだ。 キラキラしたやつがいるから目をつけとけ。 そうやって素の顔を見なきゃダメだ」 と言っていました。 これはうちの伝統になっています。 あんまりネタをばらすとまずいんだけどさ(笑)。 境野 育てた中で特に心に残っているタレントさんはいます? 堀 若い頃は自分が育てたと思い上がっていた時もあったけど、 そうではなかったんですね。 要するに、結局は世の中のニーズに相応しい、 その時のタイミングに合った人が育っちゃうんだ。 だから自分たちが育てたなんて思ったら大間違いですよ。 |
2015.06.09 |
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