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知恵の出る公式 岩井虔(PHP研究所元専務) 上田勝(松下EC元社長) 【上田】 一つ心に残るのが、 「商品は我が娘」という言葉です。 例えば、販売は婚約であり、 商品の配達は嫁入りです。 花婿からすれば、花嫁に来てもらうことが 一番嬉しいわけです。 となるとお客様にとっては 家に商品が届く「配送」が一番嬉しい。 ところが現場では販売が主役で、 配送は二の次になっている。 そこで私が大阪の販売会社に出向した時に、 配送センターという呼称を OKセンターに変えたんです。 Oはお客様、Kは感謝。 自分たちの仕事の本質は、 お客様に感謝の気持ちを届けることだと。 【岩井】 素晴らしい発想ですね。 【上田】 また、神戸時代に全国ワースト1の 赤字会社に出向しました。 私はナンバー2の立場で参りましたが、 最初にしたことが、 社員との懇談、職場環境の改善でした。 そして、販売会社の使命を何回も訴えました。 参考にしたのは、 創業者が全国の販売会社との会議で 話している内容です。 「その地域のお客様に喜ばれるように、 メーカーは販売会社との共同の工場であると 思うてくれ」 と話しておられるんです。 そして文章を読んでいくうちに、 創業者の言葉の中には、 小売店と販売会社は単なる取引先ではなく、 パートナーであるという考えがあると分かってきた。 これを社員に語り続けた結果、 1年半後には期間損益が黒字になりました。 経営改革には、 組織風土の刷新が大切だという 貴重な体験ができました。 【岩井】 上田さんは創業者にあまり お会いになっていない分、 その一つひとつの言葉を深く受け止め、 現場の中でどう実践していくかを考え抜き、 それを行動へと移しておられますね。 ハーバード大学のコッターという教授が 幸之助さんの評伝を書かれているのですが、 21世紀に生きる我われが 幸之助さんに最も学ぶべきは何かといえば、 あの方が94歳まで生涯学び続けた姿勢だと おっしゃるんですね。 いま上田さんのお話を伺っていて、 よく似ていると感じました。 【上田】 恐縮です。もう一つは、 「二階に上がりたいという 熱意のある人が梯子をつくる」 という言葉です。 熱意を高めるためには 何かをしたいという使命や目的が必要であり、 それが強いほどいくらでも 創意工夫することができる。 使命や目的に照らして、 最も適切な梯子を創意工夫すればいいわけです。 創業者は、社長が一番熱心でなければならん、 と述べておられる。 社員稼業でいえば自分の仕事には 自分が一番熱心でなければなりません。 【岩井】 それを聞いて思い出したのですが、 幸之助さんがある時、 こんな問答をしておられるんです。 「商売は知識じゃなく、知恵でやるもんや。 その知恵はどこから出てくるか知ってるか。 ええか、まず必要なのは知識やで。 でも知識だけじゃいかん。 知識に熱意を掛け算し、 それに経験を加えて出てくるのが知恵や」 つまり知恵の出る公式とは 「知恵=知識×熱意+経験」だと言われるんですよ。 |
2013.11.25 |
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