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褒め方、叱り方の極意 占部賢志(中村学園大学教授) 私は若い時から実践してきた指導法があります。 叱るときは本人を直接、 ほめる場合は誰かを介して伝えるというものです。 もちろんいつもそうとは限りませんが、 基本的にはこれが長年のスタンスです。 面白いもので、たまに間接的にほめますと、 生徒は驚くような反応を見せることがあります。 或る高校の男子クラスの担任を していた時のことです。 割と明るい性格の生徒がいました。 ただ一面、そそっかしくて調子がいいところがあり、 一度筆者から叱られてシュンとなってしまったのです。 そんな状態がしばらく続いた頃、 皆勤だった、くだんの生徒が 発熱で2日ほど休んだのです。 珍しいことでした。 ちょうどその時、 PTAの役員会のため母親が来校し、 会議の合間に子供の様子を報告に来てくれたのです。 結局、用心のためもう一日 休ませることにしたのですが、 会議に戻る母親に一言こう付け加えたのです。 「あなたの息子は最近落ち着きが 見えるようになりましたよ」と。 たったこれだけでしたが、 帰って寝ている息子に、 「今日学校で占部先生に会ったら、 あんたに落ち着きが出てきたと おっしゃっていたわよ」 と話したらしいのです。 すると、これを聞いた生徒は 布団から跳ね起きて、 制服に着替えて登校してきたのです。 もう授業は終了し、 部活動の時間になっていましたが、 それでも彼はやってきたのです。 これが生徒です。 あの学校一怖い我が担任が 最近の僕をほめてくれた。 もう嬉しくて嬉しくて、 熱など吹き飛ばして 学校に来てしまったというわけです。 こういう事例ならいくらでもあります。 ほめ言葉であれ、悪口であれ、 直接聞くよりも人を介して間接的に耳に入ってくる方が インパクトは遙かに強いものです。 ですから筆者は、生徒に問題があれば フェイス・トゥ・フェイスで指導に当たり、 ほめてやるときは周囲の関係者にそっと伝えておく。 あなたはどんなふうに生徒をほめますかと問われたら、 そう答えることにしています。 |
2013.11.19 |
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