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個人を鍛え、チームで勝つ ラグビー全国大学選手権で前人未到の9連覇を果たした帝京大学ラグビー部。 史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭高等学校硬式野球部。 毎年選手が入れ替わる中で、常に現状の戦力から出発し、 選手を育てチームを日本一へと導いてこられたお二人。 【西谷】 個人の集まりがチームですから、 チームを強くしようと思ったら まず個人をどれだけ鍛えていくかが大事だと思います。 ですから、秋の大会が終わって 翌年の春の大会が始まるまでは、 チームワークが悪くなってもいいので、 とにかく己が強くなることだけを考えてやれ、 六十人のうちトップ二十人が メンバーに入れると伝えています。 いまの子供たちはものすごく仲がいいんですよ。 それはいい面もあるんですけど、 時として弱さに繋がることもあるので、 敢えて、隣でサボっているやつがいても 声を掛けなくていい、 同じポジションのやつとは 口をきかないくらいに競い合えと。 で、ある時期に来たら、皆で集合して、 ここまで個人を鍛えてきたけど、 ここからはチームとしての 組織力を上げていきたいので、 もし自分がベンチ入りメンバーに入れなかったら 頑張れないという気持ちでいる者は 明日からグラウンドに来ないでほしい、 という言い方をするんです。 メンバーから外れた子たちは 裏でワンワン泣きます。 でも、練習が終わったら解散ではなく、 全員寮に帰るわけです。 同級生三人ずつが同じ部屋なんですけど、 二人入って一人外れる、一人入って二人外れる、 三人とも入る、三人とも外れるという四つの場合がある。 もし一人部屋だったら不貞腐れようと勝手ですが、 仲間がいる前でそんなウジウジした姿を見せるのは 格好悪いですよね。 そうすると次の日から、バッティングピッチャーや雑用、 さらには相手校の偵察など、献身的に チームのサポート役に回ってくれるんです。 彼らの姿勢を見て、メンバーの子たちも 「あいつらは悔しい思いをしているのに、 こんなに頑張ってくれている。 あいつらのために絶対勝とう」 と言うようになる。 私たちは「一球同心」をスローガンに 掲げているんですが、そのように自分のためではなく、 誰かのためにという思いで心が一つになれば、 負けにくいチームがつくられると思います。 |
2019.05.20 |
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