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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.347c

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一語履歴 vol.349
自信や心の余裕 349a凡事徹底 349b個人を鍛え 349c素直な心に
一語履歴 vol.348
母親がその人格の 348a未来のゴール 348b看脚下 348cなすべき貢献
一語履歴 vol.347
エネルギー 347a反復は 347b力のある文章 347c朝音読
一語履歴 vol.346
新入社員でも1 346a新入社員でも2 346b九つまで 風格というもの
一語履歴 vol.345
魅力ある経営者 345a熱と誠 345b遺す言葉 345cプロフェッショナル
一語履歴 vol.344
ただひとつの 344a息子の名前 344b心と環境 344c修身教授録
一語履歴 vol.343
いま心から感謝 343a勤勉は 343b情熱 343c敬天愛人
一語履歴 vol.342
問答無用の仕事師 342a凡事感謝 342b特に 342c若き日のイチロー
一語履歴 vol.341
誰よりも野球が 341a終身教授録 341b才能がないことが 341c心願
朝音読(あさおんどく)

重度の鬱病がもとでアナウンサーの仕事を失い、
さらに離婚、生活困窮と、幾重もの試練に見舞われていた和貝晴美さん。
奈落の底で見出した一筋の光明が“音読”だったといいます。

――和貝さんは、アナウンサーのご経歴を生かして、
  大阪で一般向けの音読教室をなさっているそうですね。

はい。私の主宰する教室や
東淀川区の高齢者福祉施設で、
皆さんと一緒に文章を声に出して読む喜びを
分かち合っています。

最初は自作のテキストを使っていたんですけれど、
致知出版社さんから出た

『楽しみながら1分で脳を鍛える速音読』(齋藤孝・著)

を見たら、文字が大きくて読みやすいし、
文章も長過ぎないし、これまで知らなかった
いろんな名文に触れられる。

これはいいと思って使い始めました。
皆さんも「わくわくする」って
とても喜んでくださっているんですよ。

それと、教室に通ってこられるのは
六十代、七十代の方が多いのですが、
この速音読が認知症患者に
「劇薬」とさえいえるほどよく効くと
書かれているのを知って、グッと意欲的になられました。

――音読指導を手掛けるまでの
いきさつをお話しください。

実は、フリーアナウンサーだった
平成十八年頃に鬱病を発症して、
二年くらいは日常の記憶が
ほとんどないくらいに酷い時期が続いたんです。

――あぁ、そんなに重篤だったのですか……。

最近は、鬱病というのは
脳の機能がダウンする病気だと
だいぶ知られてきましたけれど、
当時はまだ原因のよく分からない
精神病のカテゴリーに入っていて、
いろいろ本を調べてみても、
自分に何が起きているのかよく分からず、
とても不安でした。

とにかく心がいつも苦しくて、
外からの刺激に対する反応が鈍くなるので、
人とコミュニケーションを取るのが辛いんです。

特に酷かったのが体の痛みでした。

酷い失恋をした時のような、
矢で心臓を刺されるような胸の痛みや、
上半身の痛みがずーっと続くんです。

その頃はよくホテルで
式典の司会をしていたんですけれど、
進行の合間に裏で体を叩いてはまた
マイクの前に立っていました。

結局仕事はできなくなり、
とうとう生活困窮者のための福祉制度に
助けられて生活することになりました。

そこからはもう自宅で寝起きするだけの毎日で、
テレビを観ても何を言っているのか分からない、
音楽を聴いても感動しない、
どんどんいろんなものに反応できなくなっていきました。

――そこからどのようにして
  立ち直ってこられたのですか。

ある日、たまたまテレビのドキュメンタリー番組を
録音して、お布団の中で聴いてみたんです。

伝統的な漁師の暮らしを紹介する内容でしてね。

たぷん、たぷんと舟に打ち寄せる波の音に、
櫓を漕ぐ音が重なり、遠くからカモメの声が
聞こえてくる。

脳裏にその場の情景がありありと
浮かんできたところで始まった
ナレーションがとても心地よくて、
思わず聞き入ってしまいました。

番組が終わった時には、
痛いことも辛いことも忘れている自分に
気がついてびっくりしたんです。

――あれほど酷かった症状を忘れてしまった。

ひょっとして、耳を刺激して
想像力を働かせたことでエネルギーが
湧いてきたのかなと思って、
それから通信販売で朗読CDを
入手しては聴くようになりました。

最初に聴いたのは江守徹さん朗読による
中島敦の『山月記』でした。

官吏を辞め、詩作で名を挙げることを
夢みながらも挫折して虎になった人の話ですけど、
彼が臆病な自尊心と尊大な羞恥心のせいで
不本意な人生に陥ってしまったと告白するくだりに、
自分が鬱病になった原因の一つを
指摘されたような気がしました。

――ご自身の心情と重なるところがあったのですね。

ええ。フリーアナウンサー時代の私は、
厳しい競争の中で弱みを見せまいとして
孤立していました。

でも、もっと自分の弱いところを晒け出して
人と関わっていたら、あそこまで
自分を追い詰めることもなかったのではないかと
気づかせてもらったんです。

そうして耳から情報を得たり学んだりすることを
私は「耳活」と呼んで、
いまでも大切な習慣にしているんですけれど、
耳活からたくさんの気づきをいただくうちに、
再び本を手にとって読めるまでに回復しました。

ただ、最初は黙読の速いスピードに
理解がついていかなかったので、
音読をして自分のペースで
ゆっくり耳に情報を入れていくようにしたわけです。

特によかったのが「朝音読(あさおんどく)」でした。

朝一番に音読をすると頭の働きがスムーズになって、
思考力、理解力、記憶力、判断力などが
活発になるのを実感するんです。

おかげでコミュニケーションが楽になり、
エネルギー切れを起こさずに働ける日が
増えてきたことは、本当に大きかったですね。
2019.05.07

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