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『プロフェッショナル100人の流儀』という本 人間国宝の講談師、一龍斎貞水 「教えてくれなきゃできないって言ってる人間には、 教えたってできない」。 そして、こうつけ加える。 「僕はたまに “貞水さんはあまり後輩にものを教えませんね”って 言われるけど、僕らは教えるんじゃなくて伝える役。 伝えるということは、それを受け取ろう、 自分の身に先人の技を刻み込もうとするから伝わっていく」 銀座の鮨屋「すきやばし次郎」の主人、小野二郎 「教えてもらったことは忘れる。 自分が盗んだものは忘れない」 内発力のないところにいかなる成長もないことを 二人の先達の言葉は教えている。 侍ジャパンの監督を務めた小久保裕紀さんが、 イチローについて忘れられない思い出があると 『毎日新聞』に書いていた。 小久保さんはプロ二年目に本塁打王を獲得。 だが天狗になり、翌シーズンは散々。 一方イチローは三年連続の首位打者へ驀進中。 《その年のオールスターゲーム、 外野を二人でランニング中に彼に聞いた。 「モチベーションが下がったことないの?」。 するとイチローは私の目を見つめながら 「小久保さんは数字を残すために 野球やっているんですか?」 と言った。 「僕は心の中に磨き上げたい石がある。 それを野球を通じて輝かしたい」。 自分はなんと恥ずかしい質問をしたのかと、 顔が赤くなった。 彼の一言で 「野球を通じて人間力を磨く」というキーワードを得た。 内発力で生きている人間の真骨頂を このイチローの言葉に見る。 |
2019.04.26 |
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