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叱って育てる極意 井村雅代 ■叱るコツは3つある 叱る裏には責任があります。 それはしっかり自覚しなければいけません。 私もできることなら褒めて勝たせたいですよ。 でも残念ながら難しい。褒めたらその子は、 これくらいでいいんだって思い込んでしまうんです。 NGを出して、もっともっとってさらに上を求めるのは、 その子の可能性を信じているからなんです。 この子たち一人ひとりにものすごい可能性がある。 私はそう信じているんですよ。 もちろん、たまには褒めたいって思うこともありますよ。 それでリオ五輪の時、決勝前の練習で ちょっと褒めたらデレデレ緩んできたんです。 これはあかん! と思ってまた叱りましたけど、 最後までそんなことを繰り返していましたね。 やっぱり人というのは、追い込まれて追い込まれて、 もっともっとって求められるところから、 本当の力って出るんじゃないでしょうかね。 叱るコツは3つあると私は考えます。 1つは現行犯で叱ること。 2つ目が直す方法を教えること。 3つ目がそれでOKかNGかをハッキリ伝えることです。 そこまでやらないなら叱ってはダメ。それは無責任です。 ■伸びる人材に共通する「心の才能」 (伸びる選手はどこが違うかと問われて。) 人の言葉を信じてくれること。 やっぱり心にシャッターを下ろす子はダメです。 人の話を聞く時は、耳で聞き、頭で聞き、 心で聞かないとダメなんですね。耳で聞いてても 心のシャッターを下ろしてる子はあかん。 選手にはハッキリ言うんです。 「あなたはいま心のシャッターを下ろしてるから、 もう言うのをやめる」って。いくら言っても入りませんから。 それはその年になるまでの教育環境にも 大きく左右されますね。人間は信じるに値する という考えのもとに育てられたかどうかです。 もう一つ大事なのが「心の才能」です。 自分で限界を決めないこと。 できないことにぶつかった時に心の才能のある子は、 もうムリだと考えるんじゃなくて、 「あぁ私の努力が足りなかったんだ。 だったらもっと努力しよう」と素直に思って、 一ミリでも自分を高めようとする。 別の言い方をすれば、しつこいんです。 この頃、とみに思うのは諦めるの はいつでもできるということ。だから諦めたらあかん、 諦めたらもう終わりだって。でも、そこで頑張り続けたら それが当たり前になる。当たり前になったらまた前にいくんです。 だから自分で限界を決めたらダメ。自分の可能性を信じなさい。 思わぬ可能性が自分には秘められているんだよって。 ですから、心の才能があって、心のシャッターを開けていたら、 人って変われますよ。そして、そういう自分を 助けてくれる人は世の中にいっぱいいるんです。 |
2018.08\24 |
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