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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.313

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一語履歴 vol.320
軸をぶらさない 加齢は 320a苦が いつも全力で一所懸命
一語履歴 vol.319
教師の使命 319a自分の... 319b身から出た 319c足こぎ車いす
一語履歴 vol.318
ひたむきな努力 318a祖父の施し  318b適材適所 318c与えること
一語履歴 vol.317
命懸けの仕事 317a私のみるところ 317b考えるべき 317c公平
一語履歴 vol.316
この世の宝 心から来ている 人間も一人前 316a辛い出来事も
一語履歴 vol.315
裏切らないこと 315a朝の読書 315b人が嫌がる 315c人間の力は
一語履歴 vol.314
後から来る 314a湯ぶねの教訓 314bプロフェッショナル 314c叱って
一語履歴 vol.313
大豆100粒運動 313aよく見ましょう 313b覚悟を持とう 313c昇った日は
一語履歴 vol.312
諦めなかった道 312a人間の智慧 312bピンチは 312c一人の人間が
一語履歴 vol.311
我がこころの師 311a記憶は 311b人各々分有り 311cなお進まん
大豆100粒運動
          辰巳 芳子(料理研究家)

大空襲のど真ん中を生き抜いた料理研究家
料理研究家として93歳のいまも
全国を駆け回る辰巳芳子さん。

──昔はどこの家庭にも神棚があるのが当たり前でした。

それはとても大事なことで、神仏を念じる心を
持たせることは、その子の人生を助けます。

というのも、私、戦争末期の大空襲の時に、
そのど真ん中にいたんですよ。
2時間あるかないかの間に500キロの爆弾が、
90発も一気に落っこちてきた。
なぜ90発だと言えるかっていうと、空襲が終わった後に
爆弾の落ちた穴を数えて歩いたからです。

──よくご無事でしたね。

私は防空壕の中で伏せていましたけど、
爆風が風を切る音ってすごいものです。
それこそナンマンダブじゃないですけど、私はマリア様を念じて、
空襲が終わるのをひたすら待っていました。

私のすぐ隣に名古屋大学の物理学者が伏せていらしたけど、
がくがく震えているだけでした。それこそ物理学者であれば、
爆風をどう避ければいいか、物理学的に考えて
助けてくれるかと思っていたけど、全然ダメでしたね。

──辰巳さんのほうが、よほど腹が据わられていたようですね。

震えていなかったのは私ともう一人、
義侠心溢れるお爺さんだけでした。
その方は防空壕の扉が飛ばないように、
必死になって扉に張りついてくれていたんです。

やはりそういう時に本当の裸の姿の人間が出てくる。
つまり覚悟の決まっている人と決まっていない人の差ですよね。
自分中心に考えるのではなくて、自分を空っぽにして
「ナンマンダブ、ナンマンダブ」と念じることができる人は、
どんな状況にあっても何とか持ちこたえられると思いますね。

なぜこういう話をするかと言うと、
いまは国際情勢が厳しいだけに、
爆弾が落ちてくるかどうかは別にしても、
私たち日本人が不測の事態に直面する
可能性は十分にあると思うんですよ。

ところが、この国はどこまで行っても持たざる国です。
資源が乏しい。その中にあって持とうとすれば持てるもの、
それが米と大豆です。これは日本人の勤勉さによって、
何とか維持していかないと国を支えることができません。

でも、その2つがあれば、日本人はどんな苦労だって
乗り越えていけるだろうと私は思っている。だからこそ、
私は「良い食材を伝える会」を立ち上げ、
「大豆100粒運動」を続けてきたんです。ですから
「大豆100粒運動」に関して言えば、
大豆のことなら任せてくれっていう人間を
5万人はいるようにしておきたいですね。

──5万人ですか。

そう。為すことを知らずっていう人間しかいなかったら、
もしもの時に蜂の巣を突いたようになってしまうだけです。
でも、土を見て、豆を手にした時に、
豆なら蒔けるじゃないかって思える人間が5万人いれば、
それが国を落ち着かせられる。これなのよ、私の狙いは。
 
2018.08.23

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