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セゾンの文化 新井 良亮(ルミネ社長) 松井 忠三(良品計画前会長) かつて38億円の赤字に陥った無印良品ブランドを展開する 良品計画。その再建を託されたのが松井忠三さんでした。 【新井】 松井さんが良品計画の 社長に就任された当時、 会社はどんな状況だったのですか。 【松井】 業績悪化による前社長の 引責辞任を受けて、 私は2001年1月、社長に就任しました。 その年の2月期の決算で、 売上高こそ微増だったものの、 初めて減益に転じ、株価は前年の 6分の一まで落ちましてね。 社長になって半年後に38億円の 赤字を出さざるを得ないくらい、 追い詰められていたんです。 小売業界の分析で有名な アナリストからも 「日本の専門店で一度凋落して 復活した例はないですよ。 まあ、頑張ってください」 と皮肉を言われましたよ(笑)。 ですから、就任直後は 不採算店舗や海外店舗を閉めるなど、 止血作業を行いつつ、 なぜこんなことになってしまったのか、 原因を追及していきました。 【新井】 何が原因だったのですか。 【松井】 いろいろありますが、 その真因はセゾンの文化にあったんです。 【新井】 セゾンの文化ですか。 【松井】 ええ。いま申し上げたように、 セゾングループは 堤さんというカリスマ指導者の 文化と感性の経営によって、 大変なマーケティング力を 発揮してきたのですが、 それが強かった分だけ、科学的に オペレーションすることがなく、 経験主義が蔓延っていました。 堤さん亡き後、 グループの業績は悪化し、 リストラで人を削るしかなくなり、 積み重ねてきた 知識や経験がゼロになった。 ここを根本的に 変えていかない限り、 無印の復活は無理だと思い、 経験主義とは対極にある 仕組みを徹底し、社風を 変えようと乗り出していくわけですね。 商品開発や人の育て方、 オペレーションなどを すべて見える化し、 競争力を上げていこうと。 【新井】 仕組みをつくり、 社風を変えようとされたのですね。 【松井】 そうです。 |
2017.01.23 |
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