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時代を読む卓越した先見性 齋藤 孝(明治大学教授) 渋沢栄一の人生は、 「日本を一流国にしたい」という 願いを貫いたものでした。 渋沢の最大の功績は、 この資本主義の根幹とも言える銀行のシステムをつくり、 日本に根づかせるために全精力を注ぎ込んだことでしょう。 その信念を疑うことなく、 強烈な意志を持ってやり抜いてみせたのでした。 銀行のシステムをつくった渋沢は、 そこから次々に会社を設立していきます。 渋沢は生涯に実に470もの企業の設立に関わっています。 その会社をつくる目的は決して自分が儲けようと いうものではありませんでした。 念頭にあったのはあくまでも「近代的な社会」を つくるための会社です。 鉄道、造船、鉱山、製糸業など国によって 運営された殖産興業もありましたが、 その業績を挙げていけば 枚挙に遑(いとま)がありません。 中でも私が特筆すべきだと思うのは、 渋沢が何社ものセメント会社と、 製紙会社の設立に関わっていることです。 当時の日本は木造建築ばかりでしたが、 近代国家になるために渋沢が必要だと考えたのは、 頑丈な建物をつくることでした。 建物は木でできているものという概念が 通底していた明治期日本において、 渋沢は時代の先を読み、 それならばまずセメント会社が必要だと思うに至り、 その後もいくつものセメント会社を設立していくのです。 |
2016.02.07 |
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