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人格の方程式 京セラ名誉会長・稲盛和夫 日本を代表する経営者である稲盛和夫氏。 これまでに約9,000人の経営者に 経営の指導をされてきました。 氏は指導を通して人格には方程式があることに気付かれます。 世間には高い能力を備えながら、 心が伴わないために道を誤る人が少なくありません。 私が身を置く経営の世界にあっても、 自分さえ儲かればいいという自己中心の考えから、 不祥事を引き起こし、没落を遂げていく人がいます。 いずれも経営の才に富んだ人たちの行為で、 なぜと首をひねりたくもなりますが、 古来「才子、才に倒れる」といわれるとおり、 才覚にあふれた人はついそれを過信して、 あらぬ方向へと進みがちなものです。 そういう人は、たとえその才を活かし一度は成功しても、 才覚だけに頼ることで失敗への道を歩むことになります。 才覚が人並みはずれたものであればあるほど、 それを正しい方向に導く羅針盤が必要となります。 その指針となるものが、理念や思想であり、 また哲学なのです。 そういった哲学が不足し、人格が未熟であれば、 いくら才に恵まれていても、 せっかくの高い能力を正しい方向に活かしていくことができず、 道を誤ってしまいます。 これは企業リーダーに限ったことでなく、 私たちの人生にも共通していえることです。 この人格というものは 「性格+哲学」 という式で表せると、私は考えています。 人間が生まれながらにもっている性格と、 その後の人生を歩む過程で学び身につけていく哲学の両方から、 人格というものは成り立っている。 つまり、性格という先天性のものに 哲学という後天性のものをつけ加えていくことにより、 私たちの人格は陶冶されていくわけです。 言い換えれば、哲学という根っこを しっかりと張らなければ、 人格という木の幹を太く、 まっすぐに成長させることはできないのです。 |
2015.08.30 |
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