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ノーベル物理学賞受賞を支えた西郷隆盛の教え 赤崎 勇氏(名古屋大学修身教授) 青色発光ダイオードの開発に対する功績で、ノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇さん。 「研究に王道なし」をモットーに愚直に 研究に打ち込んでこられた歩みの根底には、 西郷隆盛の教えが色濃くあったといいます。 ――お聞きしたところでは、赤崎先生は中学生の時、 「敬天会」というグループに入っておられたそうですが、 これは西郷隆盛の言葉「敬天愛人」に ちなんだ会なのでしょうか。 はい。私が卒業した大龍小学校は非常に由緒ある学校で、 敬天愛人はその校訓でした。 卒業生で県立二中に進んだ有志が敬天会を立ち上げていて、 二つ上の兄が日曜日の度にそこに行っていたものですから、 小学校の頃から私もついていくようになったんです。 ――そこではどういうことをやるのですか。 鹿児島独自の郷中(ごじゅう)教育の流れなのでしょうが、 上級生が下級生を指導しながら、鍛錬するわけです。 毎週日曜日になると、 朝5時に起きて南洲神社や墓地を掃除し、 自分たちで深い穴を掘って、 これも自分たちで山から切ってきた 孟宗竹を立てて国旗を掲揚するんです。 すべて終わると桜島の方向に向かって浩然の気を養う。 そして活動中は、余計なことは誰も何も言わない。 寝食をともにしながらキャンプなどの 野外活動もよくやりました。 脚絆(きゃはん)をつけて活動している 古い私の写真がいまも残っています。 ――では、先生ご自身にとって西郷隆盛の影響というと……。 それはとても大きいです。 だから『南洲翁遺訓』なども自然に読むようになりました。 その頃覚えた「児孫の為に美田を買わず」は いまも心の糧になっています。 「命もいらず名もいらず官位も 金もいらぬ人は仕抹(しまつ)に困るもの也。 此の仕抹に困る人ならでは艱難(かんなん)を 共にして国家の大業は成し得られぬなり」 という言葉には、 西郷のスケールの大きさを感じます。 ――あれはいい言葉ですね。 西郷という人をひと言で言えば全く私心がない。 その生き方をとおして、 私は誠を尽くさない限り人の心を動かすことは できないと教えられました。 西郷の教訓が敬天会の雰囲気の中で吸収できたのは、 私の人生においてとても幸せなことでした。 |
2015.08.18 |
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