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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.140b

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一語履歴 vol.140
仕事の鉄則 140aさつまいも 140bマザー・テレサ 140c松井秀喜の才能
一語履歴 vol.139
プロの流儀 139a吉田松陰 139b天才心臓外科医
一語履歴 vol.138
一天地 138a木猫 138b吉田茂首相 138c感動分岐点
一語履歴 vol.137
人生に 137a谷間に咲く 137b一人の時間 137c目の不調
一語履歴 vol.136
ちょっとだけ 136a桃李 136b生命の火を 136c柿と語る
一語履歴 vol.135
心の純粋性 135a明るくふるまう 135b想像する 135c逃げない 135d
一語履歴 vol.134
煩悩 134a仕事ができる 134b幸福は
一語履歴 vol.133
男なら 133a価値はない 133bハタケヤマ 133c発展は幸福を
一語履歴 vol.132
アイデアに 132a人は何のために 132b違う見方 ~昨日はもっと大事
一語履歴 vol.131
迷ったときは 131a親に感謝 131bどん底家族 131c組織はそこに
マザー・テレサの心の持ち方
          渡辺和子(ノートルダム清心学園理事長)

誰しも嫌なこと、思い通りにならないことが
降りかかってきた時は、イライラするでしょう。
ところが、あのマザー・テレサは違いました。

先日、私はある講演会で、
「実は私もキレそうになるときがあるのですよ」
というお話をしたところ、聴衆に大変喜ばれました。

修道者とはいえ、忙しいときの電話や思い通りにならないこと、
「どうして!」と、イライラすることがあるのです。

私はマザー(テレサ)から、キレそうなときに、
キレないですませる方法を教えていただきました。

あれは1984年11月に来日されたときのことでした。

岡山駅までお迎えにあがると、
辺りはテレビや雑誌の記者、一般の人で
黒山の人だかりができていました。

マザーがお着きになると本当に文字通り
「フラッシュの雨」が降ったのです。

その後、どこへ行っても、
「マザー、こっちを向いてください」
「次はこちらを」
とびっくりするほどたくさんの写真を撮られて……。

異国の地での厳しい講演日程に加えて、
新幹線や車など慣れない乗り物での長距離の移動、
当時マザーは74歳でした。

肉体的にも精神的にもお疲れでしょうに、
マザーは嫌な顔ひとつせずにニコニコと、
本当にすてきな笑顔で応対していらっしゃったのです。

私は内心、
「マザーはカメラ慣れをしていらっしゃるのかしら。
 それとも写真がお好きなのかしら」
と思っていましたが、口には出さずにおりました。

夜10時を回ったころだったでしょうか、
ようやくすべての予定を終了して修道院にご案内し、
2人で肩を並べて歩いていると、マザーがふと、

「シスター、私はフラッシュがひとつたかれるたびに、
 死にゆく魂が神様のみもとに
 安らかに召されるように
 神様と約束をしてあるのです」

とおっしゃったのです。

生きている間、いいことがちっともなくて、
神や人、世間を呪っていた人たちの魂が
「サンキュー」と言って穏やかに、
この世と和解して死んでいくために、
煩わしいけれど、疲れているけれど、笑顔をするんです、と。

その上、

「今日はまだ祈っていないから」

と、寒いチャペルでストーブもつけずに、
寝る前に一時間お祈りを捧げられました。
マザーは祈りを大切にした方でした。

私はそんなマザーの姿を拝見して、
人には「自分の心との葛藤」と「自分と対話するゆとり」が
必要なのだと感じました。

日常の中には、マザーにとってのフラッシュのような
「煩わしいもの」や「イライラするもの」
「面倒くさいもの」が、必ず存在します。

そういうときにグッと我慢をして、

「これを我慢しますから、
 どうかあの人の病気が治りますように」

と他人を思いやったり、「仕方がないよね」と許す
「ゆとり」を自分の中につくる。

キレそうになる自分を抑えるための、
自分との小さな闘いが必要なのです。

逆に失敗したときは自己嫌悪に陥るのではなくて、
「今度はもうちょっと我慢しようね」と自分と話してみる。

マザーが「マザー・テレサ」であり続けることができたのは、
そういう自分自身との闘いと、ゆとりを
常に持ち続けていらしたからではないでしょうか。
 
2015.05.13

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