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必ず達成する時が来る 日本を代表する作家・宮本輝さん。 重度のパニック障害と長年闘いながら、 数多くのベストセラーを生み出してきました。 しかしそんな宮本さんにも、 文章がなかなか書けない時があるそうです。 (桑村) 37年、『流転の海』シリーズを書き続けてきた中で、 貫いてきた思いってありますか? (宮本) 諦めないことですね。 完結というのは自然にするんじゃない。 自分の意志で完結させるんです。 だから、最後まで諦めない。諦めない限り、 必ず達成する時が来る。 小説家になってからは、 とにかく粘り強くなければ仕事は続けられない、 続けたら何とかなるんだという思いでやってきました。 (桑村) 素人から見ると、溢れるようにダーッと 書き続けたような印象を受けますけど、 書けない時もあったんでしょうか? (宮本) もちろんあります。技術的に行き詰まっていく時もあるし、 実在の人物をモデルにしていますので、 これは書いても差し障りないだろうかっていう場面の選択もある。 一つの小説を仕上げる時には、 それはもういろんな葛藤があるんですけど、 それを37年間やるっていうのは、やっぱりしんどいですね。 (桑村) 書けなくて行き詰まった時にはどうされるんですか? (宮本) 一行でもいいからとにかく書くんです。 よく「もう書けない」「筆が止まっちゃってさぁ」って 言う人がいますが、それは書けないのでも、 止まってしまったのでもなく、書かないんです。 あるところでバタッと止まってしまった。次に進みたい。 この時に、橋渡しをする一行を無理矢理にでも書くんです。 そうしたら、次の橋へ渡れるんです。 この一行を書くのに大変なエネルギーがいるわけですが、 それがしんどいものだから、 「書けない、書けない」って酒を飲んでいる(笑)。 とにかく書くんです。書いたらまた動き出すんです。 |
2020.11.30 |
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