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「分かち」と「誠実」 フィギュアスケート日本代表・羽生結弦選手が 出演したことでも話題となった映画「殿、利息でござる」。 その原作は江戸時代、仙台藩吉岡宿で 町の窮状を救った人々の実話をモデルにした 磯田道史さんの歴史小説です。 宿場町はいかに再興したか。 その道標となったのが、代々商家に伝わってきた 『冥加訓(みょうがくん)』の教えでした。 (本田) 『冥加訓』を俯瞰すると、 「分かち」と「誠実」という大きく2つのことを 教えてくれているように思います。 例えば、「分かち」については次の一文が印象的です。 「道理に逆らって入ってくる財貨は、 当面の貯えとなっても、いずれは浪費されてしまうのです。 ところが、自分の満たされている富を 二分して貧者に渡せば、 不足した二分は天から補充されるので、 いずれ元の富を得ることができます。 しかし、不当に貯えた富は、 そのうち10倍にして天から取り返されてしまうのです。 正当な富を社会に還元すれば、 必ず天は10倍にして取り返してくれるのです」 これは現代にも通用する戒めです。 職場において上司が部下と分かち合うどころか、 手柄を独り占めして出世の踏み台にする、 という部下の愚痴を酒場で耳にすることがありますが、 そういう職場はいずれ信頼を失い、 生産性は低下して会社は衰退することになります。 反対に富や成果を分かち合う会社は 社風がよくなり発展していくことは、 自然の理と言うべきでしょう。 |
2020.11.26 |
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