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御静養 作家の宮本 輝さんと紫野和久傳代表・桑村 綾さんの対談。 【宮本】 やっぱり言葉って大事ですよね。 人間ってたったひと言で、生きる力を得たり、 反対に自ら命を絶ったりしますから。 芥川賞を受賞した次の年、32歳の時に 肺結核を患ったんですけど、病院のベッドで 悶々と臥している僕に、 尊敬するある方からハガキが届いたんです。 そこにはこう書かれていました。 「長き将来にあっては、今の御静養が、 即ち偉大なる作品の源泉に なりゆくであろうと私は信じています」 このハガキは何度読み返したか分かりません。 ああ、そういうふうに受け取るのかと。 特に「御静養」という言葉ですね。 「そうや、俺は病気やない。静養してるんや。 いままで芥川賞を取るために骨身を 削って小説を書いて、いま一服してるんだ」 と。そう考えると、病人から結構な身分へと、 心境が変わったんですね。 それから一遍に元気になりました。 【桑村】 同じ出来事に直面しても、心の持ち方一つで 見える世界は180度変わりますよね。 |
2020.11.13 |
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