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特に難しい問題を考えるときには 昭和期、佐藤栄作(元内閣総理大臣)をはじめ 錚々たる政治家や経済人たちが教えを受けた 東洋思想家・安岡正篤(まさひろ)先生。 安岡先生は東洋、西洋の古典や歴史に精通し、 その教えの中から生きる上での原理原則を説かれました。 先生が亡くなって30年以上が経ったいまなお、 その教えはいささかも光を失うことがありません。 私は物事を、特に難しい問題を考えるときには、 いつも三つの原則に依る様に努めている。 第一は、目先に捉われないで、 出来るだけ長い目で見ること、 第二は物事の一面に捉われないで、 出来るだけ多面的に、できれば全面的に見ること、 第三に何事によらず枝葉末節(しようまっせつ)に捉われず、 根本的に考えるということである。 目先だけで見たり、一面的に考えたり、 枝葉末節からだけから見るのと、 長期的、多面的、根本的に考えるというのとでは 大変な違いがある。 物事によっては、その結論が全く正反対ということに なることが少なくない。 我々は難しい問題にぶつかる度に 此(こ)の心掛を忘れてはならぬ。 |
2020.11.17 |
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