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書き続けるという意志と技術 作家の宮本 輝さんと紫野和久傳代表・桑村 綾さんの対談 【桑村】 書けなくて行き詰まった時にはどうされるんですか? 【宮本】 一行でもいいからとにかく書くんです。 よく「もう書けない」「筆が止まっちゃってさぁ」って 言う人がいますが、それは書けないのでも、 止まってしまったのでもなく、書かないんです。 あるところでバタッと止まってしまった。 次に進みたい。この時に、橋渡しをする一行を 無理矢理にでも書くんです。 そうしたら、次の橋へ渡れるんです。 この一行を書くのに大変なエネルギーが いるわけですが、それがしんどいものだから、 「書けない、書けない」って酒を飲んでいる(笑)。 とにかく書くんです。書いたらまた動き出すんです。 【桑村】 心に響くお話ですね。 【宮本】 機関車でも完全に止めてしまうと、 また動かすのには大変なエネルギーが必要でしょ。 ゆっくりでも動き続けていれば、 加速をつけるのは難しくないんですよ。 仕事もそれと同じで、これは小説に 限らずあらゆる仕事に言えると思いますね。 「書けなくても書くんだ。 書いたらまた書けるようになるんだ」 と口が酸っぱくなるほど言ってきましたけど、 できない人はいつまでもできない。 何年か経って、 「どうや、書いたか?」 「いや、止まっています」 「やっぱり書けないです」 って。そうやって終わっていく人を いっぱい見てきました。 書けなくても書かなきゃいけない時に、何が大切か。 これは結局、書き続けるという意志と技術を 自分の中で見つけて、絞り出すしかありません。 |
2020.11.10 |
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