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一語履歴WORD vol.339b

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一語履歴 vol.340
努力はウソをつく 340a長所を伸ばす 340b風雪に耐え 340cその態度が
一語履歴 vol.339
彼(菊池雄星) 339a何でもない 339bこくご教科書  339c笑う門
一語履歴 vol.338
運が強いこと 338a一生料理 338b一ミリの努力 338c一人の人間として
一語履歴 vol.337
共有 337a若者よ 337b人柄 337c大きな自然の中
一語履歴 vol.336
運命を拓く 336a天の時 336b森信三 336c夢みたものは
一語履歴 vol.335
至誠の精神 335a実る前から 335b本当の事業は 335c人間力
一語履歴 vol.334
人生は 334a自分に正直に 334b出られるまで 334c一粒の麦
一語履歴 vol.333
実行せずして 333aやっぱり 333b辛い体験 333c経済や政治
一語履歴 vol.332
私も何か 332a組織が求めている 332b敬天愛人 332c思考に
一語履歴 vol.331
縁と情 331a時処位の自己限定 331b朝には 331c10年後にこの3人は
齋藤孝のこくご教科書 小学1年生
 
あの人気テレビ番組『にほんごであそぼ』
(NHK Eテレ)の総合指導も務める
齋藤孝先生が監修した、
小学1年生向け“理想の国語教科書”である。
 
「いまの小学生の国語教科書は、
 絵と写真とひらがなばかりで、
 国語教科書の体をまるで成していない。
 これでは本当の教育は行えない」
 
と言われた。
 
ならば、齋藤先生の考える
“理想の国語教科書”ができないものか――。
 
その発想から、本作りは
スタートしていったのだった。
  
後日、先生は、
 
「現在の小学校1年生の国語教科書は、
 なにしろ活字が少なく、
 1年生で学ぶ漢字が少なすぎる。
 
 また、人間性を養うという重要な役割を担う
 国語教科書の内容が、近年、
 どんどん薄くなってきている。
 
 情報があふれた時代だからこそ、
 語彙力を高め、文脈力を身につけて、
 精神の成熟に繋がるようなテキストを
 読まなくてはいけない」
 
ただ、実際に本を手に取ると、
 
「うちの子にこんな難しい文章、
 読めるかしら……」
 
「親の自分でも読んだことのない作品を、
 子どもと一緒に読むなんてムリムリ……」
 
と感じられるかもしれない。
 
無理もない。本書に収録されている
『ごんぎつね』は、通常であれば小学4年生、
『走れメロス』にいたっては、
中学2年生の教科書で習う作品だ。
 
さらには、松尾芭蕉や小林一茶の俳句、
『論語』や『実語教』
(江戸時代に寺子屋で使われていた教科書)
までが登場し、尻込みしてしまう
保護者も少なくないことだろう。
 
 しかし、齋藤先生はこう言われる。
 
「一見難しいと思われるかもしれませんが、
 大丈夫です。
 私は多くの小学生を指導してきましたが、
 子どもたちの能力は非常に高く、
 これくらいは平気で読んでしまいます」と。
 
 今回の本には、親子でいっしょに
楽しく学んでいただけるよう、
さまざまな趣向を凝らした。
 
 
・声に出して読むことを推奨する
 
・音読した回数を「正」の字で記す
 
・読了タイムの記入欄を設置
 
・速音読1分間チャレンジ
 
・齋藤先生によるポイント解説
 
・「考えてみよう!」の問いかけ
 
・全漢字に読み仮名つき
 
・イラストの数90点
 
・四字熟語、ことわざの語彙力アップトレ
 
・読書感想文や作文の書き方のコツを伝授
 
 
ページ数は232ページ。
百数十ページ程度の
薄い教科書に馴れた子どもたちにとっては、
少々厚いと感じられるかもしれない。
 
しかしここにも齋藤先生のこだわりがある。
 
そしてそれは先生の、
国語教育に懸ける強い信念と
日本の子どもたちに対する
揺るぎない信頼の証でもある。
 
本作りも終盤を迎えた頃、齋藤先生は、
冒頭に、『学問のすすめ』の一文を
載せたいとおっしゃった。
 
「天は人の上に人を造らず、
 人の下に人を造らずと言えり。
  
されども今広くこの人間世界を見渡すに、
かしこき人あり、おろかなる人あり、
貧しきもあり、富めるもあり、
貴人もあり、下人もありて、
そのありさま雲と泥との相違あるに
似たるはなんぞや。
 
その次第はなはだ明らかなり。実語教に、
人学ばざれば智なし、
智なき者は愚人なりとあり。
されば賢人と愚人との別は、
学ぶと学ばざるとによりて出来るものなり」
 
福沢諭吉の言葉に対する
齋藤先生の解説とコメントはこうだ。

 
「みんな、生まれたときは平等で、
 本当は誰が偉い、
 誰が偉くないということはないはず。
 みんなが自由に楽しく生活できるはず。
 
 ところがいまこの人間の世界を見てみると、
 かしこい人もいるし、そうでない人もいる。
 
 こうした違いが
 どうしてあるのかっていうと、
 それは学ぶと学ばないとに
 よるものなんだって
 福沢諭吉はいっているんだ。
 
 だから『学問のすすめ』なんだね。
 
 勉強するかしないかが
 一番大事なんだよということを、
 明治時代の最初にいって、これを当時、
 日本中の人たちが読んだ。
 
 だから日本人は、これからの時代は
 たくさん勉強する人になろうという
 気持ちをもったんだ。
 
 キミも小学校1年生になったら、
 学ぶのが一番大事、勉強するのが
 大事なことなんだって、
 何度もくり返し読んで心に刻んでね」
 
『学問のすすめ』は、当時の日本の人口の、
実に10分の1に当たる約340万部が
発行され、大ベストセラーとなった。
 
そして人々は学問することの重要性を痛感し、
各々が自己を磨き、日本の近代化を
急速に成し遂げていったのだ。
 
このたび刊行される国語教科書は、
この『学問のすすめ』の精神を
現代に問うものでもある。
 
2019.03.18

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