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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.334c

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一語履歴 vol.340
努力はウソをつく 340a長所を伸ばす 340b風雪に耐え 340cその態度が
一語履歴 vol.339
彼(菊池雄星) 339a何でもない 339bこくご教科書  339c笑う門
一語履歴 vol.338
運が強いこと 338a一生料理 338b一ミリの努力 338c一人の人間として
一語履歴 vol.337
共有 337a若者よ 337b人柄 337c大きな自然の中
一語履歴 vol.336
運命を拓く 336a天の時 336b森信三 336c夢みたものは
一語履歴 vol.335
至誠の精神 335a実る前から 335b本当の事業は 335c人間力
一語履歴 vol.334
人生は 334a自分に正直に 334b出られるまで 334c一粒の麦
一語履歴 vol.333
実行せずして 333aやっぱり 333b辛い体験 333c経済や政治
一語履歴 vol.332
私も何か 332a組織が求めている 332b敬天愛人 332c思考に
一語履歴 vol.331
縁と情 331a時処位の自己限定 331b朝には 331c10年後にこの3人は
一粒の麦
       童門 冬二(作家)

私は正直にいって、藤田東湖が
幕末維新に果たした役割を考えると、
聖書の中にある例の、

「一粒の麦 地に落ちて死なずば」

という言葉を思い出す。正確には、

「一粒の麦、地に落ちて死なずば、
 ただひとつに在らん、もし死なば、
 多くの実を結ぶべし」

という文章だ。

一粒の麦も死なないで自己を守っていれば、
結局は一粒で終わってしまう。
しかしもし死ねば、それがきっかけとなって
多くの実を結ぶだろうという、
人間にもそのまま当てはまる言葉である。

これは指導者のあり方として、
いつもいえることではなかろうか。
指導者が自己にこだわって、
「おれが、おれが」と、自分の業績を誇り、
権力にしがみついていたら、後から続く
世代は信用しないし、敬愛もしない。

が、潔く身を捨てれば、一種の美学が生まれ、
多くの後輩が後を慕っていく。これはすなわち、

「公の精神」

であるからだ。ポストや自分に
しがみつくというのは、最後まで、

「私の精神」

を捨て切れないということである。

もうひとつ藤田東湖のカリスマ性を支えていたのは、
何といってもかれの、「詩精神」だ。

したがってかれは、尊皇壌夷論を唱える
志士であることは確かだったが、
同時に“詩士”であり、また“死士”でもあった。

西郷隆盛が初めて藤田東湖に会ったのは、
安政元年(1854)のことだといわれる。

東湖は49歳、西郷は28歳だった。
東湖は骨太で、背が低い。
顔は浅黒く、眉が太い。しかし目付きが鋭い。
初めて東湖の姿を見た西郷は、薩摩藩の屋敷に戻ると、

「どうだった?」

ときく友人に、

「まるで山賊の親分だ」

と答えた。このときの西郷は、やや自信過剰で、
たまたま東湖の家に来ていた橋本左内を見ると、
あまりにもやさしい美少女のような
姿をしているので、ちょっと馬鹿にした。

橋本左内は左内の方で、西郷を、

「すぐ感動する感激オンチだ」

と見だ。が、つき合っているうちに
二人は無二の親友となった。
そしてそれぞれの主人のために、
のちに井伊直弼がおこなう安政の
大獄の原因をつくっていく。
 
2019.02.14

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