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お尻のスイッチを入れる 松尾 タカシ(ヒップアップ・アーティスト) 年齢を重ねるにつれ、膝や腰の痛みに悩まされ、 思うように動けなくなる人が増えています。 では、どうすればいつまでも自分の足で 元気に歩ける方法はないものでしょうか。 実はその願いを叶える鍵を握るのが「お尻」。 人間の筋肉は大まかに、 推進筋という身体を動かすために使う筋肉と、 抗重力筋という身体を真っ直ぐに立たせる筋肉の 二つに分類できます。 お尻の筋肉は坑重力筋であり、 お尻が弱くなると真っ直ぐ立つことが難しく、姿勢が悪くなります。 お年寄りに背中の丸い人や、 足が前に出ず歩幅の狭い人が多いのはそのためです。 若い人でも、猫背であったり、乗り物ですぐに座りたがる人は、 お尻の筋肉がかなり弱っている可能性が高く、要注意です。 また、お尻の筋肉は、歩く時の地面からの衝撃と 上半身の重さを吸収して和らげているため、 お尻が弱くなるとその負担がすべて関節にかかってきます。 歩く時にかかる負荷は私たちが考えている以上に大きく、 例えば股関節には体重の3倍、 50キロの人であれば150キロの負担がかかるため、 お尻が弱って衝撃を吸収できなくなると、 膝や腰などの関節に負荷がかかるようになり、 膝痛や腰痛が起きてしまいます。 さらに、お尻の筋肉が衰えると 身体のバランスを取る力も損なわれていきます。 直立した状態から片膝を水平に上げ、 一分間キープできる人はお尻の筋肉がしっかりしており、 何歳になっても歩けます。 けれどもお尻が衰えてバランス能力が低下すると、 ちょっとした段差に引っかかって転倒するようになり、 寝たきりになるリスクが高まるのです。 このようにお尻の筋肉には、身体を真っ直ぐに立て、 関節の負担を軽減し、バランス能力を維持する重要な役目があり、 お尻のスイッチを入れることが、元気に活動する鍵となるのです。 |
2017.11.09 |
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