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幸福は自分一人では発達しない 渋沢栄一 人の一身の幸福が世に処する間に 自己一人にて発達すると思ふは 大なる誤解である。 (解説) 人間は、他から孤立して 生存できるかもしれません。 しかし、単に生存することと、 人として生きる「人生」は異なります。 人生は、一人で生きることは不可能です。 自分の生存のことだけを考えれば、 人間には笑顔も泣き顔も必要ありません。 人間は社会の中で生きる存在です。 だから栄一のいうように 「人は社会の恩恵を忘れてはならぬ」のです。 地球の他の生き物が持っていない 人間の特長とは想像力であるといわれています。 これは自分が体験していない時空に飛躍できる力です。 利己は自分の体験しか眼中にありません。 一方、利他には飛躍の力が必要です。 自分自身ではない他人がどのような考え、 気持ち、立場であるかを想像して、 自ら行動することが利他だからです。 人類が利己という本能しかない 生き物であれば、社会を発達させ、 文明を築くことはできなかったでしょう。 想像力がもたらした利他の精神があったから、 人間は文明社会を 他と共創することができたのです。 「共に創る」こと。渋沢栄一の思想の核心に、 この共創という精神があります。 これは同じ「キョウソウ」である 競争の否定では決してありません。 ただ、競争の勝者には権利だけではなく、 義務もあります。 人生の成功は競争ではなく、 共創で決まります。 |
2017.10.13 |
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