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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.182

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一語履歴 vol.185
人生を照らす 185a人生をひらく 185b心に響く 185c能力の差
一語履歴 vol.184
唾液と健康 184a本を読む 184b魔法の言葉 184c子ガンジー
一語履歴 vol.183
坂村真民 183a古典の輪読会 183b銀座久兵衛 183c理想の教師像
一語履歴 vol.182
がんの神様へ 182a童話に 182b心の目が 182c長く発展する会社
一語履歴 vol.181
生きる...~一人前と 181a一筋の道 181b折れない心 181c鉄は...~師に
拝啓 がんの神様へ
             長堀 優(育生会横浜病院)
             村上 和雄(筑波大学名誉教授)

【長堀】
これは私が10年くらい前に
出会った患者さんの話ですが、
その方はお腹の中に
がんが広がっていました。

そのことは彼女も知っていたのですが、
いつもニコニコされていたんです。

彼女は75歳くらいでしたが、
私が回診で病室へ行くと、
私の足音で近づいてくるのが
分かるようで、いつもベッドの上で
正坐して待っているんです。

たぶんどの先生にも
そうだったと思うのですが、
「いつもありがとうございます」と、
正坐したまま最敬礼をしてくれるんです。

その顔は本当に
ニコニコで満面の笑みでした。

私はどこからこの笑顔が
出てくるんだろうか、
死が怖くないのだろうかと、
いつも不思議だったんです。

ある日のこと、いつものように
素敵な笑顔を見せてくれた彼女が
真剣な顔つきで尋ねてきました。

「先生、私は手術することも
 あるのでしょうか」と。

私は正直にお答えしました。

もう手術をしてもがんを取りきれないし、
無理をするとかえって
大変な結果になると。

そうしたら彼女が喜びましてね。

【村上】
喜ばれたのですか。

【長堀】
実は彼女には肝硬変の夫がいたんです。

子供がいなくて親戚も近くにいないから、
お互いに支え合って
生きていかなければいけない。

だからこれ以上入院を続けて、
家を空けているわけには
いかないと言うんですよ。

本当は旦那さんより奥さんのほうが
病状はよっぽど重いんです。

でも彼女はこう言いました。

「夫のことが私は心配なんです。
 あの人は私がいなければ
 どうしようもないから。

 だからいつもがんの神様に、
 『もう少しおとなしく
 していてくださいね。
 私はもう少しあなた(がん)と
 頑張って生きていきますから、
 大きくならないでくださいね』
 ってお祈りしているんですよ」

って。

私はその言葉にとても感動しました。

【村上】
それは偉い方だな。

【長堀】
がんというのも細胞であって、
米国の細胞生物学者
ブルース・リプトン博士は

「細胞一個一個に、感性がある」

という話をしています。

例えば単細胞のミドリムシは
餌があれば寄っていくし、
毒が来ると逃げていく。

単細胞ですから脳みそも
神経もないわけですが、
そういったことが全部分かる。

だから博士は

「細胞はそれだけで完璧な生命体である。
 しかも生きる感性を持っている」

ということを言っているんです。

そうであれば、がんも細胞ですから
生きる感性があるので、
当然人間の思いとも関係してくる。

実際、彼女は長く生きたんです。


もって一年という診断でしたが、
三年半あまり生きることができた。

私は彼女の思いが
がん細胞に届いたのだと思っています。
 
2016.01.16

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