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たねやのバイブル「末廣正統苑」 山本徳次(たねや名誉会長) 山本 「末廣正統苑(すえひろしょうとうえん)」は 当社の生き方や商いの道を説いた、 たねやのバイブルとも言うべき経営方針書です。 内容は、私が亡き親父から叩き込まれた商いの心得を基に、 近江商人の遺訓を交ぜて文章化したものですが、 まとめてもらう先生がおられたからよかったんですね。 京都で演劇塾を主宰されていた故長田純先生と言いますが、 演劇を見ていても他の方と違って何か骨があるというか、 筋が通っているんです。 先生の元をお訪ねしたのは三十年ほど前、 東京の日本橋三越本店に初出店する際のことですが、 その時に 「菓子づくりの前にまずは人づくりだ。その指針となるものを」 と言われました。 年齢は私と親子以上に違うんですが、以来、 毎週京都へ通うことになり、何度も押し問答をしながら、 一年がかりでまとめてもらったんです。 田中 そこに御社の歴史や教えが凝縮されているのでしょうね。 また近江商人の生き様というか、 人の道とはこういうものであったのかと つくづく考えさせられました。 山本 確かに近江商人のことも随分喋りましたね。 でも先生は 「それよりも大事なものがある。 親父さんと商売をしてきた中で、 何か言われたことがいっぱいあるやろう」 と言われ、そういうことをどんどん聞き出していかれました。 田中 山本会長はそこから、たねやさんの生き方や商道を 探っていかれたわけですね。 単なる思いつきでなく、練りに練ってでき上がったものだけに、 部外者の私が読んでも感動しますよ。 「刻(とき)は常に新し商人なれば 新しき刻を新しき商ひ新しき福となして 新しく使ふべきなり」 とか、 「走る勿(なか)れ されど止(とどま)るは尚愚かなり ただ歩めよと訓(さと)されし 我が先人の言を守りつつ 今日も生活(くらし)を進めむ」 とか。まさに商道の原理原則とでもいうべきものです。 山本 おかげさまで、どこにいても目の前にふっと言葉が浮かんでくる。 それぐらい、自分の骨の髄まで染み込んでいるものですね。 この「末廣正統苑」は和綴じにして社員必携とし、 終業時には「八つの心」という実践訓を全員で唱和しています。 この言葉を毎日の商いの中でいかに形に示していくかが 一番重要な部分ですね。 |
2013.08.05 |
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