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世界が注目する新幹線劇場 矢部輝夫(JR東日本テクノハートTESSEIおもてなし創造部長) 【記者:新幹線の車両清掃がいま国内だけでなく 世界でも注目を集めています】 ええ。おかげさまでここ数年、 国際鉄道連合や韓国鉄道公社、中国国鉄など 多くの鉄道関係者の視察が相次いでいます。 JR東日本はいまアメリカ・カリフォルニア州の 新幹線受注競争に名乗りを上げているんですが、 JRは他国の鉄道会社と違って、 私どものお掃除の技術もパックで売り込もうとしていますので、 アーノルド・シュワルツェネッガー知事(当時)が 直接視察に見えたこともありますね。 韓国鉄道公社は、お掃除部門の皆さんを 実際に私たちの研修に派遣されました。 清掃員とは思えないおしゃれな制服、制帽を 身につけたスタッフが短い停車時間に キビキビと作業をこなしていく。 その速さと手際のよさに皆さん一様に驚かれるようで、 国内外のマスコミにも随分取り上げていただきました。 ある日本の経済誌に「世界最強のチーム」というタイトルで 大きく紹介されて以来、いまやそれが 私どもテッセイの通り名になっているんです。 流れるように踊るように動いているでしょう(笑)。 十両編成の新幹線だと、作業に当たるのは 二十二名のスタッフです。 指示や時間管理を行う主事や主任、 トイレ掃除専任のスタッフを除けば、 一両を一人で担当します。 列車が到着すると、まずは袋を持って入り口に立ち、 降りられるお客様からゴミを受け取る。 次に袋を持って車内のゴミを集め、 椅子を正しい位置に戻す。 それから百席すべてのテーブルを拭いて、 ガラスが汚れていたら別の布でそれも拭き取る。 クシャクシャになった背もたれのクロスを取り替え、 自在箒で床をきれいに掃き、 最後に網棚に荷物が残っていないか、 座席に緩みがないかを確認する。 これだけの作業を停車時間の七分間で 一人でやってしまうわけです。 早ければ四分で終わります。 もちろん清掃前と清掃後のお客様への一礼も忘れません。 たまに座席をジュースなどで汚されているお客様も いらっしゃいますが、そこを短時間できれいにするのも プロとしての腕の見せどころなんです。 「おもてなし」という言葉がありますね。 この言葉から笑顔や礼儀といった言葉を 連想する方がいらっしゃるでしょう。 もちろんそれも大事ですが、 テッセイの最高のおもてなしは十秒でも二十秒でも早く お客様にご乗車いただくことなんです。 だから私たちが絶対に変えてはならないのは 「早くて、正確で、完璧な、車内整備」。 私たちはこのように 危険・汚い・きつい の3Kとされてきた清掃作業を、 感謝・感激・感動 の新しい3Kのレベルにまで高めてきたんです。 |
2013.08.05 |
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