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温故知新 故きを温ねて新しきを知れば、以て師と為るべし 安岡定子(安岡活学塾 銀座・寺子屋こども論語塾専任講師) 「温故知新」という四字熟語は有名ですが、 その四文字にばかり光が当たるため、この後に続く 「以て師と為るべし」という言葉の重みが見過ごされがちです。 孔子はいつも弟子たちに、ただ学ぶだけでは不十分で、 身につけた知識を現実の場で生かさなければならないことを 説きました。 温故知新という教えに従い、過去に学び、 将来の見通しが立てば、 いま自分が何をなすべきかというアイデアが生まれます。 孔子は、そのよいアイデアをもとに 実際にアクションを起こせる人が師、 つまりよい先生であり、そういう素晴らしい人物を見つけたら、 側にいてよい影響をたくさん受けなさいと説いているのです。 ですからここで言う「師」とは、 ただ理屈を述べるだけの学者や先生ではなく、 古典を通じて優れた哲学を持ち、 それを実践している人のことをいいます。 孔子は別の場面でしばしば「仁に親しむ」とも述べ、 仁を身につけた「仁者」に学ぶことの大切さを 繰り返し説いています。 ここでいう「師」も「仁者」も、 『論語』でお馴染みの「君子」に近い存在で、 孔子が求めていた理想的な人間像と考えられます。 |
2013.07.30 |
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