本文へスキップ

      次代に輝く住まいを創る

TEL. 0246-65-2311

〒979-0154 福島県いわき市沼部町鹿野43

一語履歴WORD vol.677


過去の一語履歴を見ることが出来ます。

一語履歴 HOME
⇦前 一語履歴 次⇨ 
一語履歴 vol.680
もし、彼女がそういう上司になったら 680a真に学問をしたとはいえない
一語履歴 vol.679
〝実行力〟を高める名言
一語履歴 vol.678
「紙の本」の力 678a元気の秘訣は「恋してますから」
一語履歴 vol.677
無意味と思われる作業に没頭... 677a名著を読んで女子大生たちが変わった
一語履歴 vol.676
「できる」と確信を持った上での失敗 676aかたよらずに生きる
一語履歴 vol.675
言葉と行動そのものがあんたの心
一語履歴 vol.674
紙の本の読書は五感に訴ったえてくる 674a夢がカラーになって見えるまで
一語履歴 vol.673
「おふくろさん」 673a「小事と人格」
一語履歴 vol.672
「百戦百敗」 672a人間は幸せにしかなれない
一語履歴 vol.671
『武士道』
無意味と思われる作業に没頭する時間を

ベストセラー『バカの壁』で知られる解剖学者の養老孟司氏は
若い頃から会社勤めを選択しなかったといいます。
そして、一人黙々と解剖作業に没頭する中で、
人生の普遍的なテーマに思いを馳せるようになった。

(養老)
私が会社勤めを選択しなかったのは、
全体が見えないと落ち着かないからだ。
敗戦で世の中が百八十度変わる体験をしたこともあり、
会社のような組織に根強い不信感を持っていたし、
自分がどこに立ってどんな役割を
果たしているのかが掴つかみにくい
大きな組織に身を置くのは嫌だった。

その点、解剖のように一人でやる作業はいい。
自分がやらなければ一歩も進まないし、
結果の善し悪しは自分自身が一番よく分かる。
うまくいっても、うまくいかなくても、
すべては自分の責任である。

一人黙々と解剖作業に没頭していると、
この人はいったいどんな人だったのだろう、
どんな道を歩んできたのだろうというところにまで
考えが及んでいく。

自分もいずれはこうなることが自覚され、
ならば生きることにはどんな意味があるのだろうか、
人生の価値とはいったい何だろうかと、
普遍的なテーマに発展していく。
それが貴いのである。

ところがいまは、
手元にあるスマホに間断なく情報が押し寄せてきて、
ものを考えようとしてもすぐに邪魔が入る。
そういう時の人間の頭の中を調べると、
社会脳という部位が活発に働いている。
要は他人と向き合い、
言葉を交わす時の脳の使い方であり、
それが脳のデフォルトモード、
基本設定になっているのである。

私が勧めるのは、
デフォルトではない脳の働きを育てることであり、
その際に有効なのが、
一見無意味に思われる作業に
黙々と没頭する時間を持つことである。
いまは死語となったが、
こうした営みを昔は〝修行〟と呼んだ。

比叡山に伝わる修行の一つに、
千日回峰行というのがある。
千日もの長きにわたり険しい山々を歩き続ける荒行である。
我われ凡人は、
そんなことに命を懸けて何の意味があるのかと思ってしまうが、
満行した僧侶が大阿闍梨として崇め奉られるのは、
そこに一個の作品が出来上がるからであろう。
過酷な行をやり遂げたその人こそが、唯一無二の作品なのである。

2022.07.28

バナースペース

櫛田建設株式会社

〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日