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「小事と人格」 昭和20年5月の大空襲のために焼け出され、 会館の一室に起居するようになった安岡正篤師。 毎日の朝参の際の10分か20分、師弟を集め、自らが精神の糧としてきた 古今名賢の箴言をひとつずつ紹介しながら、 独自の解説を加えていき、出来上がったのが小冊子『終戦前後 百朝集』です。 「小事と人格」 人間の眞實の正しさは、禮節と同様、 小事に於ける行に表れる。 小事に於ける正しさは 道徳の根柢から生ずるのである。 之に反して大袈裟な正義は單に習慣的であるか、 或は巧智に過ぎぬことがあり、 人の性格について未だ明を與へぬことがある。 選挙演説会で国民大衆に大袈裟な正義を主張したり、 時局に便乗して巧に事新しく筆陣を張るものがあったとて、 ゆめゆめ偉い人かと迷わされてはならぬ。 その人の何でもない日用尋常の言動によく注意をしよう。 案外化猫や古狸の正体が何でもない事に チラチラばれるものである。 偉大な修業などというと、 どんな奇抜な人間離れしたことを することかなどと思う間は、 まだ何もわかっておらぬのである。 尋常日用の工夫に徹するのが大修業なのである。 大いに悟りを開こうと思って、 先ず仏という偉大な者の秘儀をつかもうと あせっておる僧に 趙州和尚(唐末の名禅僧)は答えた、 朝飯は食ったか。はい、いただきました。 食器をよくかたづけなさいと。 |
2022.07.02 |
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