本文へスキップ

      次代に輝く住まいを創る

TEL. 0246-65-2311

〒979-0154 福島県いわき市沼部町鹿野43

一語履歴WORD vol.672a


過去の一語履歴を見ることが出来ます。

一語履歴 HOME
⇦前 一語履歴 次⇨ 
一語履歴 vol.680
もし、彼女がそういう上司になったら 680a真に学問をしたとはいえない
一語履歴 vol.679
〝実行力〟を高める名言
一語履歴 vol.678
「紙の本」の力 678a元気の秘訣は「恋してますから」
一語履歴 vol.677
無意味と思われる作業に没頭... 677a名著を読んで女子大生たちが変わった
一語履歴 vol.676
「できる」と確信を持った上での失敗 676aかたよらずに生きる
一語履歴 vol.675
言葉と行動そのものがあんたの心
一語履歴 vol.674
紙の本の読書は五感に訴ったえてくる 674a夢がカラーになって見えるまで
一語履歴 vol.673
「おふくろさん」 673a「小事と人格」
一語履歴 vol.672
「百戦百敗」 672a人間は幸せにしかなれない
一語履歴 vol.671
『武士道』
人間は幸せにしかなれない

〈白駒〉
「そんなの大したことないわよ」

サバサバして肚の裾わった江戸っ子気質の祖母と母は、
私が幼い頃から体調を崩したり、
精神的に落ち込んだりする度に、
そう言って励ましてくれました。

最初は、
「なんてデリカシーがないのかしら」
と反発していましたが、
繰り返し言い含められるうちに、
大抵のことは大したことではないと
思えるようになりました。
私が今日まで逞しく生きてこられたのは、
2人のおかげと深く感謝しています。

そんな私も、いまでは2人の子を持つ母親です。
昨年は、既に大学に進学している娘に続き、
息子が高校受験に挑戦しましたが、
あいにく第一志望は不合格でした。

合格は間違いないだろうと
思っていただけにショックでしたが、
その時ふっと心の内から湧き上がってきたのが
「願いはもう叶っているんだよ」
という言葉でした。

私は10年前に大病を患いました。
子宮頸がんが肺に転移し、
主治医から
「こういう状況で助かった人を見たことがありません」
と言われてしまいました。
当時、息子は小学校に入学したばかり。

「せめてこの子が中学を卒業するまで
私を生かしてください……」

それが私の切実な願いでした。

おかげさまで、病はその後奇跡的に治癒し、
気がつけば息子は無事中学を卒業しようとしている。
そう、願いはもう叶っていたのです。

「どこの学校へ行くかなんて関係ない。
あなたが元気で、
笑顔でいてくれるだけで私は幸せなのよ」

私は息子を思いっきり抱き締め、
一緒に声を上げて泣きました。
そして娘に対しても
同じ気持ちでいることをすぐに伝えたくなり、
電話越しにまた二人で泣きました。

私はそれまで受験戦争というものに
否定的なイメージを抱いていましたが、
受験には「家族の再生物語」という
素敵な一面もあるのです。

努力が実って合格するのも素晴らしいことだし、
たとえ不合格でも、その経験が家族の絆を深めてくれる――。
結局、人間は幸せにしかなれないんだなと、
貴重な学びをいただきました。

2022.07.02

バナースペース

櫛田建設株式会社

〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日