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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.618

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奇跡の保育園 613a失敗や挫折、艱難辛苦の時こそ...
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逝く者はかくのごときか 昼夜を舎かず 612aつねに腰骨をシャンと立てる
一語履歴 vol.611
僕が不可能と言われたわけではない 611a努力にまさる天才なし
人間、死ぬまで命がある

ダボス会議メンバーや内閣官房参与などを歴任し、
私塾や著書を通じて多くの人々に仕事や人生の示唆を与え続けている
多摩大学大学院名誉教授・田坂広志さん。

現在の精力的なご活躍ぶりからは
想像もつきませんが、
田坂さんは若い頃、重い病を患い、
医者から「もう長くは生きられない」
と宣告されたそうです。

そして、絶望に沈む我が子を
見かねたご両親の勧めで、
ある禅寺を訪ねます。

「どうなさった」

「はい、実は……」

私は堰を切ったように苦しい胸の内を吐き出しました。
重い病気を患っていること、
医者からもう命は長くないと言われたこと、
一縷の望みを抱いてこの寺へやってきたこと……。
禅師はきっと、何か励ます言葉を
かけてくれるに違いない。
そう期待しながら語りました。

私の話を聞き終えて、
しばしの沈黙の後、禅師は言いました。

「そうか、もう命は長くないか」

「はい……」

その後、禅師は、
腹に響く声で力強く、こう言ったのです。

「だがな、一つだけ言っておく。
 人間、死ぬまで命はあるんだよ!」

一瞬、何を言われたのか理解できませんでした。
当たり前のことを言われた気がした。
しかし、禅師は続けてもう一つ、
力強く言葉を語ると、接見を終えました。

私は部屋を出て長い廊下を戻りながら、
禅師の言葉を思い起こしました。
その瞬間、突如、気づいたのです。

そうだ、禅師の言う通りだ! 
人間、死ぬまで命があるにも拘らず、
私は、もう死んでいた!

どうしてこんな病気になってしまったのかと
「過去を悔いる」ことに延々と時間を使い、
これからどうなるんだろうと
「未来を憂うる」ことに延々と時間を使い、
かけがえのない、いまを生きてはいなかった。

その瞬間、禅師が続けて語った言葉が、
心に甦ってきたのです。

「過去は無い。
 未来も無い。
 有るのは、
 永遠に続く、いまだけだ。
 いまを生きよ!
 いまを生き切れ!」

2021.11.20

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