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努力にまさる天才なし 古来、よく言われてきた言葉である。 努力にまさる才能なし、とも言う。 いかなる天才も、どんなに能力があっても、 努力する人にはかなわないということである。 換言すれば、どんなに才能がある人でも、 努力しなければその才能は衰えてしまう、 ということでもある。 「天才とは努力し得る才である」 とゲーテの言葉にあるそうである。 誰でも努力することは知っているし、 多くがそれなりに努力する。 だが、努力しなくてもいい環境になると努力しなくなる。 それが凡才である。 天才は努力しなければならない環境を 自ら創り出して努力することをやめない。 評論家の小林秀雄はゲーテの言葉の意をそう解説している。 努力することが息をするのと 同様になっている人を天才というのだろう。 今夏開催された東京オリンピックとパラリンピック。 選手たちは無観客という異例の状況の中で 自己の能力の最善を尽くし、 「努力にまさる天才なし」 「天才とは努力し得る才」 という二つの言葉を余すところなく実証してみせ、 日本国中を大きな感動に包んだ。 オリンピック最終日の翌日、 たまたま観たNHKテレビで、 競泳女子の四百メートルと二百メートルの個人メドレーで 二つの金メダルを獲得した大橋悠依さんが インタビューに答えていた。 大橋さんはオリンピック開催の一か月前の測定で、 自己ベストより七秒も遅い記録しか出ず、 精神的にもきついから、 四百メートルは辞退したいと平井伯昌コーチに申し出た。 「オリンピック出場を辞退する道もあるぞ」。 それが平井コーチの返事だった。 それを聞いた大橋さんの脳裏に、 これまで歩んできた道、 これまで必死の練習を積み重ねてきた歳月が蘇ってきた。 そして金メダルをとって賞賛されたいなどということではなく、 自分で選んだこの道でしてきた努力、苦労を救ってあげなければ、 という思いが込み上げてきた。 その一念で出場に臨んだと語っていた。 どれだけの努力、苦労をしてきたかを彷彿させる言葉である。 大橋さんのこの思いは すべての出場選手に共通したものであったに違いない。 |
2021.10.22 |
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