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『五輪書』 六十数戦して不敗―― 宮本武蔵は、日本の剣道史上に 空前絶後の大記録を打ち立てた、 江戸時代初期の剣豪である。 武蔵は、晩年の一六四三(寛永二十)年秋、 洞窟にこもって、「二天一流」 と自ら命名した独創的な二刀流の 「兵法指南書」の執筆にとりかかった。 それが『五輪書』である。 それから三百七十年近い歳月が流れた 二〇一二(平成二十四)年十月、 鈴鹿サーキットでのレースに敗れた F1ドライバーのフェルナンド・アロンソが、 ツイッターでこうつぶやいた。 「『敵山と思わば海としかけ、 海と思わば山としかくる心』を持つことが大事だ」 敵うんぬんは、『五輪書』の「火の巻」 (「山海の替わりということ」)に記された一節である。 わかりやすい現代語に意訳すると、 「敵が『山』を考えていると読んだら、 その裏をかいて、こちらは『海』をしかけ、 敵が『海』を考えるなら、 こちらは『山』をしかけることだ。 そういう気構えが『勝利の方程式』なのだ」 アロンソは、F1のシンボル的チーム 「フェラーリ」のトップドライバーとして、 その時点まで「ドライバーズチャンピオン」の 首位を走っていた選手だ。 スペイン人のアロンソが『五輪書』を 知っていたというのは驚きだが、 「遠い昔の兵法書が時空を超え、国境を超えて、 世界各国で愛読され続けている」という事実を 改めて日本人に教えてくれた点にもっと大きな意義がある。 |
2021.11.19 |
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