過去の一語履歴を見ることが出来ます。
土田ボトル 海上自衛隊幹部学校長として日本を守る人材の育成に 情熱を注いでいる海将の真殿知彦さん。 古今東西の歴史や人物を研究する作家の瀧澤中さん。 (瀧澤) 真殿さんは学生時代を通じて 特に影響を受けた人はいますか。 (真殿) それは元警視総監で、 当時の防衛大学校の学校長だった 土田國保先生ですね。 土田校長は警視庁時代に、 過激派から自宅に郵送されてきた 小包が爆発して奥様を亡くされ、 四男も重傷を負われた 「土田・日石・ピース缶爆弾事件」でも よく知られている方です。 実は土田校長は、 戦前は海軍主計大尉で戦艦「武蔵」にも 乗っていたんですよ。 そうした戦争の生々しい体験や リーダーのあり方などを学生に話してくれて、 とても感銘を受けました。 それで土田校長が講話をされた時、 お話の最後に 「僕は防衛大学校のすぐ近くの官舎に住んでいるから、 週末にぜひ遊びに来なさい」とおっしゃるんです。 (瀧澤) ああ、学校長が自分の官舎まで遊びに来なさいと。 (真殿) 一、二年生の時は目の前のことで忙しく、 三年生になる時の春に土田校長は 学校長を離任されましたから、 残念ながら私は土田校長の官舎に 伺うことはできませんでした。 ただ、週末になると防大生が集まる 居酒屋が横須賀にありましてね。 そこで防大生が制服を着て呑んでいると、 土田校長が秘書を連れて突然現れるという噂があったんです。 最初は半信半疑だったのですが、 ある日、私がその居酒屋で呑んでいたら、 土田校長が本当にいらっしゃって 目の前に座ったんですよ。 偉ぶることなく、私と同じ目線に立って、 いろいろ話を聞いてくださり、 「頑張りなさい」「これ、皆で呑みなさい」って ウイスキーのボトルをぼんと置いて帰っていかれた。 土田校長は横須賀の複数の店に学生のために ボトルをキープしていました。 防大生は自由に呑んでいいと。 私たちは親しみを込め「土田ボトル」なんて呼んでいました。 (瀧澤) 土田校長の偉ぶらない、 学生たちに惜しみない愛情を注ぐ 温かいお人柄が伝わってきます。 |
2021.10.18 |
〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日