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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.614

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自分で治すしかない 614a動機は内側から
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奇跡の保育園 613a失敗や挫折、艱難辛苦の時こそ...
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逝く者はかくのごときか 昼夜を舎かず 612aつねに腰骨をシャンと立てる
一語履歴 vol.611
僕が不可能と言われたわけではない 611a努力にまさる天才なし
自分で治すしかない

豊富な経営体験に基づき、
より良い人生や仕事を全うするための心の技法を唱導する田坂広志氏。
氏の活動の原点は、30代の頃の闘病体験にありました。

(田坂)
「死中活あり」
いまから38年前、32歳のとき、
私は重い病を患い、医者から
「もう長くは生きられない」との宣告を受けました。
医者から見放され、自分の命が刻々失われていく恐怖と絶望の日々、
両親は私に、ある禅寺に行くことを勧めました。
藁をも掴む思いで、その寺に行きましたが、
そこには何かの不思議な治療法があるのではとの期待は、
すぐに打ち砕かれました。
寺を訪れると農具を渡され、
ただひたすら畑仕事で献労をすることが求められたのです。

明日の命も知れぬ自分が、
なぜこんな農作業をやらなければならないのか。
そう思いながら鍬を振り下ろしていると、
不意に横から「どんどん良くなる! どんどん良くなる!」
と叫ぶ声が聞こえてきました。
見ると一人の男性が懸命に鍬を振り下ろしている。
しかし、その足は大きく腫れ上がり、
ひと目で腎臓を患っていることが分かりました。

休憩時間に声を掛けると、その男性は言いました。
「もう10年、病院を出たり入ったりですわ。
一向に良くならんのです。
このままじゃ家族が駄目になる。自分で治すしかないんです!」
その覚悟の言葉が胸に突き刺さってきました。
そして、その瞬間、一つの思いが湧き上がってきました。
「そうだ、自分で治すしかないんだ!」。
それまで自分は、医者が治してくれないか、
この寺が何とかしてくれないかと、
常に他者頼みであり、
自分の中に眠る無限の生命力を信じていませんでした。
それが最初の気づきでした。

それから数日後、山の中腹の畑を耕しに行くことになりました。
当番になった私が仲間に農具を配り終え、
先に出発した仲間を追って山道を登り始めると、
思わず言葉を失う光景を目にしました。
それは、足を患っている献労仲間の老女が、
鍬を杖にして、山道を必死に登っていく姿でした。
農作業はおろか、歩くことすら困難なのに、
不自由な足で、鍬にすがりながら、山道を登っている。
しかし、その後姿から、
その老女の覚悟の声が聞こえてきました。
「たとえ畑に辿り着けなくとも良い! 
 私は全身全霊、この命を振り絞って登り続けます!」
私は思わず心の中で手を合わせ、
「有り難うございます。
 大切なことを教えて頂きました」
と念じながら、横を通り過ぎていきました。

2021.11.02

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