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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.108b

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一語履歴 vol.110
なぜ... 110a一輪の椿... 110b成功の反対... 110cその姿は...
一語履歴 vol.109
強味... 109a心の反映... 109b本物の食... 109c史上初5連覇...
一語履歴 vol.108
奇跡の復興... 108a夢を実現... 108b伸びる人の条件...
一語履歴 vol.107
芸道一筋... 107a他人を... 107b腰骨を... 107c先繰り機転...
一語履歴 vol.106
求める心が... 106a感動分岐点... 106b若者よ...
一語履歴 vol.105
明日また... 105aひとりの少女... 105b伸びる人間... 105c一所に懸命...
一語履歴 vol.104
人間力を... 104a中川一政 104b桜となれ... 104c徳を以て...
一語履歴 vol.103
海上自衛隊... 103aこの瞬間... 103b食べたいもの... 103c解釈を変える
一語履歴 vol.102
選手が自立... 102a一燈園 102bヒットアイデア 102c涙の種はいつか...
一語履歴 vol.101
成長の糧... 101aギリギリまで... 101b人間関係の力... 101c運を...
“伸びる人の条件”と“指導者の資格”
          西谷浩一(大阪桐蔭高校硬式野球部監督)
        
昨日、甲子園決勝戦で三重高校を4対3で下し、3917校の頂点に立った大阪桐蔭高校。
春夏を連覇した2012年以来、 2年ぶり4度目の優勝を果たしました。
1998年から16年にわたり、チームを率いるのは西谷浩一監督、44歳。
高校野球の監督としてはこれで歴代3位の優勝回数となりました。

西谷 私がここ最近変わったなと思うのは、
   メンバーから外れた子たちが
   非常によくやってくれるチームになった、ということですね。

10年ほど前までは夏のメンバー発表が終われば、
そこから外れた子は寮を出るのが決まりだったんです。

メンバーから外れて気持ちも少し切れているだろうから
彼らは家から通わせるようにしようと。

ところが、私が監督になって3年目の時、
皆が寝静まってからキャプテンが相談に来たんです。

「メンバー発表が終わっても、
 3年生全員を寮に残してほしい」と。

私は内心凄く嬉しかったんですが、
理由を尋ねると、

「監督はいつも、一つのボールに皆が同じ思いになれ。
 “一球同心”と言われているのに、
 メンバー外の3年生が寮を出たらお互いに溝ができてしまう。
 一球同心が本物にならないと思います」

と言ってくれたんですね。

本田 選手のほうからそう言ってこられたのですね。

西谷 夏のメンバー発表をする時には、
   背番号をつけてやれなかった子たちが
   ベンチ裏でワンワン泣いているんです。

でも次の日には彼らのほうから、

「チームのために何かやらせてほしい」

と自ら言ってきてくれるようになった。

そして打撃投手をしてくれたりするんですが、
私が一番してもらいたいのが相手チームの偵察なんですね。

1、2年生より3年生のほうが野球をよく知っているから、
絶対にいい分析ができる。

ただメンバーから外れた3年生に
それを頼むのは非常に酷なことなんです。

本田 よく分かります。

西谷 その彼らが「偵察にも行きます」と
   自分から言ってくれるようになり、
   そこから何かが変わってきた。

三年生の外れた仲間たちが撮りに行ったとなると、
メンバーもいい加減には見られなくなる。

そうしたことで合宿所自体の雰囲気が変わってきました。

だから試合に出ていない子の力がいかに大切か、
その子たちの力が関わってきた時に、
チームは本当の力を発揮するんだなと改めて感じましたね。

本田 指導者というのは皆、
   非常に負けず嫌いですよね。

でも負けず嫌いの人は、
往々にして諦めやすいという面がある。

だけど本当の指導者は、
その負けず嫌いが継続するんです。

諦めなければ必ずチャンスが
巡ってくると思っています。

選手だって負けず嫌いな子のほうが成長しやすい。
だけどもそういう子のほうがかえって諦めてしまいやすいんです。

西谷 同感です。

そういう子が変化した時に、
凄いものになっていく、本物になっていくんですがね。

また、本当に伸びる子は概して素直で、
なおかつ頑固さも備えていますね。

人の話をちゃんと聞く耳を持っているが、
自分というものもしっかり持っているというか。

本田 素直さという点では共通していますが、
   私自身は反骨精神のある奴が大好きなんですよ。

よく、不貞腐れる子っていますよね。
そういう子と話をして突っ込んでいくと、
時には飛び掛かってくることもありますが、
そういう部分を崩してやった時には、
これが本番で大活躍するんですよ。

暴れ馬を調教した時には名馬になる(笑)。

西谷 ここ一番ではそういう子がやってくれますね。

本田 真面目な子は土壇場で萎縮したりするんです。

いずれにせよ、ねじれた子も3年間でそのねじれを取ってやらないと、
社会では通用しませんからね。

一方で、真面目な子にも真面目なだけじゃダメだよと教えてあげる。
このへんが非常に難しいところです。

西谷 そうですね。

それと、これは先生も同じでしょうが、
我われはやはり日本一になることを目標にしているので
「これで日本一になれるのか」という言葉を
意図的に毎日毎日伝えていきました。

ただ日本一は本気で狙いに行っても簡単には取れません。

でも本気の本気で狙いに行ってこそ初めて
チャンスが出てくると思っています。

だから常にそれを意識してやりたいと思っています。
たまたまで日本一になるなんてことはあり得ませんから。

だからそこに近づくために
自分がいま何をしないといけないかということですよね。

本田 えぇ。だからとにかく鍛える、日本一に向かって鍛えていく。

私自身は厳しさと優しさというものは
同一線上にあるものだと思うんです。

どちらが先行するものでもなく
厳しさの中に本当の優しさが、優しさの中に本当の厳しさがある。

叱るのと褒めるのも、
苦しさと楽しさも一緒じゃないかと。

選手にも3年間、いろんなドラマがあるじゃないですか。

でも卒業する時に、
彼らは苦しかった時のことを笑いながら喋るんです。

つまり苦しいことの中にこそ、
楽しさがあるんじゃないかと。

そうした点で、指導者に求められるものの第一には、やはり情熱ですね。
次に負けず嫌いであること。そして最後は行動力です。

年を取ってくると、だんだん面倒臭さが先に立っちゃいますから、
そういうことがないようにと心掛けています。

この世界、人間が相手ですからそう簡単には極められないですよね。
ここからもっともっと深い境地があると思うし、
西谷先生にも負けないよう、若さをもらわないと(笑)。

西谷 私はまだまだ未熟な指導者なので、
   子供たちの中にバッと入ってしまい、
   見えなくなることがよくあるんです。

最初のうち勝てなかった理由を自分なりに考えると、
たぶん子供たちと一緒になって戦っていたから
見えなかったんだといまになって思うんです。

これまでは子供たちと一緒に突っ走ってやってきましたが、
最近は指導者として一つの岐路に来ているように感じています。

単に野球だけを教えるのではなく、
子供たちにその先の生き方を教えるため、
本田先生のようにいろいろな引き出しを持っている必要がある。

子供たちを引っ張っていく立場であれば、
もっともっと自分が勉強しなくてはいけないし、
そういう根っこの部分をどれだけつくってやれるかが、
将に求められる資格ではないかと思います。
 
2014.08.26

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