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好きこそ物の上手なれ 世界的デザイナーのコシノジュンコ氏と 二十六世観世宗家・観世清和氏。 【コシノ】 先代が急逝され、31歳で後を 継ぐというのは大変だったのではないですか。 【観世】 もちろん、父から人として、社会人として 「こうしないとだめだ」という心構えは ずっと教えてもらっていましたが、 先程も申しました通り、宗家を継ぐ為の お教えは一切ございませんでした。 ですから、当時はまず何より亡くなった父の 舞台に穴をあけてはいけないということが第一でした。 二つほどを他の人に代役を頼みましたけれど、 あとは全部自分がやりました。 全く演じたことのない演目もございましたから、 日中に父の舞台と自分の舞台をこなして家に戻り、 稽古三昧。そうでもしないと間に合わない。 まさに無我夢中と言うことだと思いました。 そうした状況が10年ほど続きました。 【コシノ】 謡だけでなく、舞も覚えなくていけないわけですよね。 本当に大変なことです。その10年はどう乗り越えられたのですか。 【観世】 やはり、私は能が好きだったのです。 能が嫌いだったら耐えられなかった。 好きだったから続けられたのだと思います。 ある時、家内から「ところであなた、お能は好きなの?」 と聞かれたので、「どう思う?」と聞き返したら、 「いや、かなり好きだと思う」と(笑)。 私は思わず「その通り!」と言ってしまいました。 【コシノ】 やっぱり好きってことが何事も根本ですよね。 嫌々やっているのは分かります。 「好きこそ物の上手なれ」です。 好きなことは理屈抜きで続きます。 |
2020.09.15 |
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