過去の一語履歴を見ることが出来ます。
くれない族 作家の曽野綾子さんがよく使われる言葉の一つに 「くれない族」があります。 曽野さんは、若者からお年寄りまで日本中に、 数多くの「くれない族」がいることをとても憂慮されています。 (鈴木) 曽野さんは、特にいまの若者たちを見ながら 「与えることを知らない」とおっしゃいました。 自分にできる小さなことであっても、 与える習慣をつけることが人生を 心豊かに生きる一つのヒントかもしれませんね。 (曽野) ええ。小さなことでもいいんでしょうね。 私は以前から「くれない族」という言葉を使っていますが、 それは若者に限った話ではありません。 お年寄りにもそういう人はたくさんいます。 友達が「してくれない」、配偶者が「してくれない」、 政府が「してくれない」、ケースワーカーが「してくれない」、 娘や息子が「してくれない」。こういう言葉を口にする人は、 青年でも壮年でも精神的老化が進んでいると私は言っているんです。 同じような意味で、人間としての与える義務を果たすことも必要なんですね。 そうでなくて受けてばかりいると、心が満たされないんでしょう。 (鈴木) 人間としての義務を果たす。 (曽野) インドに行った時、ガンジス川に面した ヴァナラシで一人の日本人のお嬢さんとお会いしました。 彼女は学校を出て数年間勤めて貯めたお金でインドを旅していました。 安宿に泊まりながら2、3年旅を続けていると聞いて、 私は感心したんですね。 それで、そこにいらしたイエズス会の神父様に彼女を紹介して、 後で「神父様はどうお思いになりましたか」と聞いてみたんです。 すると「私には少しも幸せに見えなかった」とおっしゃるんです。 「どうしてでしょう? 独立心もあって、 自分のお金でインドを見に来た感心な人ですよ」と言ったたら、 「いや、あの人は自分のしたいことをしているだけで、 与えるという一人前の人間としての義務を果たしていない」と言われる。 考えてみれば、 インドという地は貧しい人が多くて皆が助け合わなくては生きていけない。 だけど彼女は一人、自分のことだけを考えて行動していた。 そのことをおっしゃっていたんですね。 |
2020.08.31 |
〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日