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とんでもない執念 鬼気迫る仕事で「写真の鬼」と称された日本を代表する写真家・土門拳。 (福田) 師匠からは具体的にどのようなことを学ばれたのですか。 (藤森) 土門先生には、 一つの職業でちゃんと生き抜くことが どれだけ大変なことかを教えてもらいましたね。 直接的には五年ほど師事しましたが、 写真の技術は一つも教えてくれなかったんですよ。 とにかく寡黙な人で撮影中は一切喋らないんです。 「先生は何を考えているのかな」って常に先回りして行動しないと、 もう拳骨がガーンと飛んでくる。 殴られたところはいまでも凹んでいて、 よく皆に触らせてあげています(笑)。 それで気づいたんですが、 拳骨って土門拳の「拳」の字を使うでしょう? だから、拳骨はきっと土門先生のためにあるんだと。 (福田) なるほど(笑)。 仕事には非常に厳しい人だったそうですね。 (藤森) ええ。例えば、この仏像はどういうものなのか、 撮影の前に一所懸命勉強していくんです。 でも、実際に行ってみてイメージと違ったら、 「大した仏像じゃない」と言って、さっと帰っちゃう。 でも、ひとたび撮影するものが決まれば、 その場所に何度も何度も通うんです。 一回で撮影が終わることはほとんどない。 それがお寺さんであれば、お寺の住職も、 「とんでもない執念だ」「こんな人見たことない」と、 たちまち土門拳ファンになってしまうんですよ。 |
2020.05.08 |
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