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子守唄の力 年間約16万件にも上るという日本の児童虐待問題。 現代人の心にいま何が起きているのでしょうか。 先達が残した大切な財産ともいえる 子守唄の伝承・普及に取り組む西舘好子さんに、 いま日本人に知ってほしい、子守唄の力について伺いました。 (西舘) 子守唄って、お母さんの匂いとか、リズムとか、 音の高低とかを感じながら、体が覚えていく唄なんです。 心の原風景として、無意識の中に刷り込まれていく唄なんですよ。 この子守唄をいまの人に もっと伝えていかなければならないと強く思ったのは、 やっぱり痛ましい虐待事件が増えているからです。 無条件に信頼できるはずの親から投げ飛ばされたり、 蹴られたり、寒いところに追い出されたりっていう 悲惨な記憶が心の原風景に刻み込まれてしまったら、 その子の生涯にどれほど傷を残すだろうかって思うと、 胸が張り裂けそうになります。 そういう原風景を持った子は、 大きくなったら自分の親と同じことを 繰り返して虐待が連鎖する怖さもあります。 それだけに、人間の無意識の中にある原風景に 子守唄を注ぎ込んだっていうのは、 先達の素晴らしい知恵だと思うし、 その素晴らしい子守唄を日本人の心に取り戻すことによって、 いまの状況を少しでも変えていけるんじゃないかと思っているんです。 |
2020.04.06 |
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