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サービスを提供する側も紳士淑女たれ 高野登(ザ・リッツカールトン・ホテル日本支社長) 「リッツ・カールトンでの高野さんの仕事って何ですか」 とよく聞かれます。 もちろん営業やマーケティング、 プランニングなどいろいろやっているわけですが、 私はそのDNAをつないでいく伝道者になっていくと いうことしか頭の中にないんですね。 大阪が開業した時も人材戦略だとか、 いろいろ細かい部分に関わりましたが、 最終的に何をしているかというと、 リッツ・カールトンのDNAを きちんとした形で進化させる伝道者としての活動です。 これが私の中で一番大事な心の立ち位置ですね。 来年(二〇〇七年)四月に東京が開業しますが、 そこでの私が関わるとすれば、 再びリッツ・カールトンのDNAを 形として表すことだと思っているんです。 コミュニケーションを通してお客様のことを知る、 お客様に自分たちのことを伝えるという行為は、 アメリカですら多くなかったはずです。 日本もそうでしょうが、サービス業の世界は、 お金を払う側と払っていただく側、 奉仕される側と奉仕する側の斜めの目線なんですね。 携わる者が召し使い的な感覚でいる以上、 どうしても本当のコミュニケーションは生まれません。 ところが、「サービスを提供する側も紳士淑女」 と言われた場合、この意味を勘違いしてしまう 従業員もいるんですね。 ただ単に対等に口を利いてもいいんだと。 これは大いなる誤解です。 なぜかというと、お客様のほうが 圧倒的に経験が豊富だし経済的にも豊かで 社会的地位も高いわけです。 お客様の価値観が三メートルの物差しだとすると、 従業員のそれは三十センチの物差しかもしれないのです。 この言葉の意味するところは、 たとえいまは従業員の物差しが三十センチでも、 努力をすることによってお客様が三メートルの 物差しで感じることを感じ取れるように ならなくてはならないということなのです。 お客様の生活は見ることができないし、 体験することもできないのだけれども、 コミュニケーションを通じて その思いや価値観を自分の物差しで つかむ努力をしていく。 これが「自分たちも紳士淑女」と 言い切った一番大きな目的です。 例えば、入社してすぐに二日間の オリエンテーションがあるんですが、 この二日間で、これまでの業種の中で 経験できなかったリッツ・カールトン独特の 価値観を教えます。 かといって、その人が培ってきた価値観を 捨てるわけではない。新しい価値観に バージョンアップするわけです。 またこのオリエンテーションは、 採用が決まったスタッフを、 いかに温かく迎え入れるかという 二日間でもあるんです。 新しい職場での緊張感と不安感を取り除き、 早くリッツ・カールトンの一員として 馴染ませてあげると同時に、 そのホスピタリティーを 肌で体感してもらうねらいもあります。 |
2020.04.18 |
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