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情報が集まるところに権限を委任する 織田邦男(航空自衛隊元空将) 日本防衛の最前線に立ってきた、国家における危機管理の原則 前例のない危機において、 情報が最も入ってくるのはやはり現場です。 ですから、一番何をすべきかを知っている現場に 対応を一任し、責任はトップが取るというのが 危機管理のあり方なのです。 米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)には 「FEMAの原則」という対応原則があります。 1「腹心(信頼できる部下)を現場に派遣せよ」 2「現場に裁量の権限を委任せよ」 3「日頃から信頼できる部下を育成せよ」 という有事におけるシンプルな対応原則です。 実際、アメリカで自然災害が発生した時など、 FEMAは現場に派遣した腹心に白紙の小切手を持たせ、 現場に大きな裁量を与えています。 危機においては、現場の状況が分からない人間が 外からとやかく意見を言っても、混乱を招いてしまうだけです。 その点、今回の「ダイヤモンド・プリンセス号」の 政府の対応に対する一部メディアや識者の無責任な批判は、 いかに日本人が危機管理に疎いかを 示しているといえるでしょう。 自らは安全な場所にいながら、 「乗員・乗客を早急に下船させるべきだ」などと、 コメンテーターと称する素人が 現場の苦労も何も知らないまま無責任な批判をする。 そのような批判は、国民を不安にし、 現場の士気を落とすだけです。 また、船内に数時間滞在しただけで、 政府の対策の不具合を批判する動画を流した 大学教授もいましたが、全く危機管理が 分かっていないと言わざるを得ません。 |
2020.05.08 |
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