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やっぱりお母さん 塚原 成幸(臨床道化師) 村上 和雄(筑波大学名誉教授) 病院の子供たちに笑顔を取り戻そうと活動を続ける 臨床道化師の塚原成幸さん。 【村上】 臨床道化師の一番の仕事というのは、 やはり子供たちを笑顔に してあげることですか。 【塚原】 多くの方は病院イコール しんどい場所で、病院では 笑顔になれないから、 子供たちを笑顔に するために道化師が必要だと 思われているんですけど、 実は違います。 僕たちはもっと違う角度で 子供の現実を見ていて、 笑えるまでの助走期間を 担うのが臨床現場に入る 道化師の役目なんです。 【村上】 笑えるまでの助走期間? 【塚原】 そうです。 笑わせるところを僕たちが 取ってしまったら、 それは横取りなんですよ。 それよりも子供たちが 笑って関わってほしいのは、 日々お世話をしてくれている 看護師や主治医の先生、 そして病気を抱える 子供中心の生活にならざるを 得ない親御さんたちなんです。 特に入院している子供が どこまで本心を親に伝えられているか、 または親が子供に伝えられているか ということになると、お互いかなり 無理をしているところがあると思います。 なので、そういう途切れそうな 人間関係を再構築させることも、 僕らの大切な役割です。 【村上】 具体的にはどんなことを されているのですか。 【塚原】 例えば生まれてすぐの新生児が、 NICU(新生児集中治療室 )に入ったとします。 そうすると、その子のお母さんの 心理状態はどうかというと、 「ごめんね、ごめんね」 を連呼するというケースがほとんどです。 というのも、生まれてすぐに 保育器の中に入れられるので、 自分の腕で抱くことも ほとんど許されないんですね。 いまは500グラムで生まれてきた 子もちゃんと育つといわれていますが、 お母さんにしてみると、 小さい状態で産んでしまった ことで自分を責めてしまい、 そんな自分を受け入れられないまま 子育てがスタートします。 そうすると子供が 大きくなっていっても、 そのことが気持ちの中に ずっと残るんですね。 だけど気持ちを楽にしてくれる 誰かが入ることによって、 例えば病室にいる子供に 近づいていくと、 最初は驚いて泣き出したり、 ちょっと嫌がったりする。 その時に、 「ああ、やっぱり嫌われちゃったな。 お母さんちょっと顔を見せてあげて」 と言って、お母さんに助け船を 出してもらうんですよ。 それでその子が泣きやんだりすると、 「やっぱりお母さんは違うな」って言う。 |
2016.08.10 |
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