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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.211

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一語履歴 vol.214
運命を切りひらく 214aやっぱりお母さん 214b柔の道で
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一流シェフを唸らせるみかん 213a自分を育てるのは自分
一語履歴 vol.212
途上国のビジネス 212a髪の毛一本 212b旧敵に「師」と仰がれる
一語履歴 vol.211
私が子供にできること 211a目指したもの 211b松下幸之助の経営哲学
私が子供にできること

あるご婦人とは、5,6年前、円覚寺の坐禅会に
参加してくださったのがご縁でした。

日帰りの会ならともかく、泊まり込みの座禅会となると
なかなか修行も厳しく、女性の参加は珍しいので
何かご事情でもあるのかと思い、ある時お話をお聞きしたのです。

ご婦人がおっしゃるには、
あるスポーツの選手だった息子さんが
大きな大会で事故を起こして首の骨を折り、
首から下がほとんど動かない状態になってしまわれた。

絶望した息子さんは、電動車イスで病院の屋上まで上がり、
飛び降り自殺を図ろうとしたけれども、
体が思うように動かず思い止まったのだと。

しかし、お話を聞いていて驚きました。

その息子さんはそこから大学に復帰し、
さらに一人暮らしを始めたというのです。

ご婦人は
「私はあの子が転んでも絶対に起こしてあげないんです」

とおっしゃいました。

身体が不自由な子が転べば、
すぐにでも手を差し伸べたいのが親というものでしょう。

しかし、ご婦人は自分が先に亡くなった時、
息子さんが一人で生きていかなくてはいけないことを
分かっておられたのです。

息子さんにもその思いが伝わったのか、

「自分は母のために生きるんだ。
 自分が暗くなれば、お母さんがいつまでも辛い思いをしてしまう。
 だから、頑張って生きるんだ」

そう言っていたそうです。

その言葉のとおり、彼は一所懸命べんきょうして運転免許を取得し、
いま地方公務員として立派に自立しておられます。

ご婦人は私にこう言われました。

「管長さん、私はいろいろ苦しんで悲しんで、泣くだけ泣きました。
でも私が子供にできることはたった一つ。
 一日一日を明るく生きること。
 それだけです。
 もし私が辛い顔をしていたら、息子は母が悲しむのは自分のせいだと
 自分を責めてしまう。
 だからこれからも明るく生きていくの」
 
2016.07.21

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