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絶対最上 「国民教育の師父」といわれた 森信三先生の代表的著作『修身教授録』。 (北尾) 森信三先生の思想哲学の根底に流れるものに 「相対観からの解脱」という考え方があります。 私たちは、地位や名誉、財産など あらゆる問題を他の人と比較しながら 相対の基準で生きています。 その結果、嫉妬心や憎しみなど 様々な感情が生まれて自他を蝕んでいきます。 ところが、比べることをやめることで 「絶対最上」になると森先生はおっしゃっています。 自分が尊い人身を天から与えられた 唯一無二の最上の存在であることに気づくというのです。 天という大きな視点から見たら、 自分は賢いと思っている人も、 愚かだと思っている人も大した差はありません。 仏教ではこれを「賢愚一如」と言います。 自分が絶対最上の存在であるとすれば、 他人を気にすることなく、自分が為すべき務めを、 ただ淡々と一所懸命にやりさえすればいいのです。 私の事業家としての経験から見ても、 相対観で物事を判断する人は決して大成することがありません。 自分という小さい枠に囚われてしまって、 大きな視野を見失ってしまうのです。 逆に、私利私欲を捨ててでも社会全体を よくしていこうという大欲を持つ人材の中にこそ 真に大成する人物がいると言ってもよいでしょう。 |
2021.12.21 |
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